教育福島0016号(1976年(S51)11月)-020page
因が関係していると考えられるが、後述するように、学校の管理下における災害の主要部分は体育的活動によるものであり、体育・スポーツの振興が災害件数の増加に関係していることも否定できないであろう。
3、災害の種類別の傾向
災害の種類のうち廃疾と死亡については、各年度ごとの件数を表30に示してあるので、ここでは、負傷と疾病の割合について、昭和五十年度の状況をみると、表31のとおりいずれの学校種別においても九八%以上が負傷となっており、疾病は極めて少なく、この例は毎年ほとんど変わりがない。
4、男女別の傾向
「災害の種類別傾向」と同じく、昭和五十年度の災害について男女別の割合をみると、表32のとおり、女子学生の在籍しない高等専門学校は別として他はいずれも男が六四〜六九%を占めている。この男女比は、いずれの年度もほとんど同様である。
5、学校種別ごとの傾向
(1) 給付率
昭和五十年度の学校種別ごとの給付件数と給付率の状況は、表33のとおりである。
もっとも高いのが高等専門学校の六・三四%であり、以下、中学校五・三三%、高等学校二・九七%、小学校二・三七%、保育所一・二五%、幼稚園○・九六%の順となり、最高の高等専門学校は最低の幼稚園の六倍以上の給付率となっている。これらの給付率は先にも述べたように、各種学校種別ごとにそれぞれ年々増加しているが、学校種別の順位は、毎年ほとんど変わりがない。
(2) 災害発生の場合
災害はどんな教育活動等の場合に発生しているかを、幼稚園から高等学校までについてみると、図15のとおりである。
この図によってわかるとおり、学校種別ごとの特徴として、小学校の負傷は、その四九・四%が休憩時間中一始業前、放課後の時間も含む)に発生しており、これに次ぐ各教科の二七・二%を合わせると、小学校の負傷の七六・六%がこの二つの場合に発生している。
(図14)昭和35年度以降の給付件数の推移
(福島県)
(表31)負傷と疾病の割合
(昭和50年度福島県)
(表32)男と女の割合
(昭和50年度福島県)
(表33)昭和50年度の災害共済給付件数
(福島県)
(図15)災害発生の場合別構成割合
(昭和50年度福島県)
(注)中学校・高等学校の課外の部活動は、課外指導に含まれている。