教育福島0018号(1977年(S52)01月)-019page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
学習を個々に成立させるための学習指導
−−算数科を中心として−−
昭和村立野尻小学校
(昭和五十・五十一年度文部省指定)
一、研究の内容と方法
(一) 研究仮説
指定を受けた段階で、実態を的確におさえ、次のような仮説を設定した。
「児童一人一人に問題のとき進め方を身につけさせるとともに、児童の実態に即応した教材内容の提示とその指導法をくふうすれば、個々の児童の学習が強化される。」
作業仮説 1、
単元はじめに取り扱う問題で、児童に問題を解く視点・方法・順序をわからせれば、発展的な問題を解決する能力が身につく。
作業仮説 2、
前提テスト・事前テスト・面接調査等により、個々の児童の実態を明らかにすれば、個々の学習強化のための手だてが明らかになる。
![]()
作業仮説 3、
授業を進めるに当たって、その目的と実態により、能力層に応じた指導をすれば、授業における効率をあげることができる。
(二) 研究実践の概要
1) 学習が個々に成立した状態
「一人一人が本時の目標に達成すること」をおさ、えた。ただし、本時の目標の中には「学び方」についてのものも毎時計画的に取り入れ、学習の自発化・協同化を図った。
2) 個々の児童の学習強化の手だて
どの学級も次の四点を大事に授業を進めるよう約束し、以下述べる三項目について取り組んだ。
〇 一人一人の考えを大事にする。
○ 小さな発見をたいせつにする。
○ まちがいをおそれず自分なりの考えを持つ子供を育てる。
○ わからないことは最後まで追求する子供を育てる。
ア、問題解決の視点・方法・順序の重視.
複式学級の指導では、学習のしかたを日常、じゅうぶんに訓練した。学習を成立させる基本的なしつけはもちろん、実際に問題を解くのに有効に働く視点・方法を一単元の中で計画的に指導し、活用できるようにした。
イ、児童の実態の的確なは握
どのような方法で、何をとらえ、どのように活用するかを明らかにした。
担任は、「単元ごとの前提、事前事後テストつづり」「個人カルテつづり」「座席表つづり」を用意し、指導に役立てた。
ウ、能力層に即応した指導の手だて
下図のA層やB層に対する指導方法や教材内容提示のくふうを日常の授業の中にもり込んだ。
(ア)、予定時間より早く終った児童
●結果のまとめ、発表準備
●多くの発展問題
●グループで筋道立てて説明
(イ)、つまずいた子や遅進児
●個別指導、SF・OHP活用
●ヒントカード、治療カード、グループでの協力学習
3) 算数科指導で重視したこと
ア、視点・方法を大事にした授業
拡張化、統合化、発展化、構造化が図られやすい。
イ、本時のめあてを明確にした授業
ウ、学習の順序を重視した授業
(ノート指導と関連させて)
エ、「くらべ学習」を大事にした授業
オ、おちこぼれのない授業
二、成果と反省
わずか二年間の研究ではあったが、すばらしい成果を得ることができた。その最大の原因は、校長を中心に、全職員の研究意欲に支えられた、たゆみない実践の結果であろう。また、研究体制が整えられ、研究の内容・方法が明確に示され、何を実践するかが明らかになっていたことである。その結果次のような成果があがった。
1) 学習への見とおしをもって取り組む子供が多くなった。
2) 児童一人一人に、学習する力が身についてきた。
3) いろいろな調査の結果、授業での無駄が少なくなり、数学的な考えが育ち、学力が向上してきた。
4) 指導過程の組み立てが確立し、能力層への配慮の方法がわかった。
5) 一人一人の教師に、すばらしい変容がみられた。
単式二、複式二学級の学校であるため、これらの研究内容・方法の共通化に苦労した。経験年数の少ない先生が多かったが、指導事項を的確に受けとめ、それを実践に生かし、無駄の少ない効果的な研究である。
(会津教育事務所指導主事 須佐久男)
![]()
複式学級指導の真剣な授業風景
![]()
![]()
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |