教育福島0019号(1977年(S52)02月)-033page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

めながら指導を進めるように努める。

 

四、障害に応じた指導方法・教材教具の活用、開発に努める。

 

(一) 児童・生徒一人一人の心身の障害の程度、発達段階に応じた科学的な指導法の研究に努める。

(二) 心身障害児の場合は、学習の補助手段として一般の子供以上に教材教具を必要とするため、教科書その他の既製の教材教具等の使用について絶えず研究し、効果的な活用を図る。

(三) 視聴覚教材や学校図書館の資料等についても、児童・生徒の特性や能力に合ったものを精選して、その活用を図る。

(四) 児童や生徒の特性、能力を最もよく理解している教師による独創的な教材教具の研究開発は、教育効果をあげるのに欠かすことができない。

そのため、一人一人の児童・生徒の実態に合った教材教具の積極的な開発に努める。

 

五、身辺処理の確立、社会自立を強化する指導をくふうする。

 

(一) 観察や調査、検査を実施して、個人理解のための資料を整備し、有効な指導の手がかりを得るとともに、個別に指導方針を立てて指導に当たるよう努める。

(二) 学校におけるあらゆる場を日常生活指導の場や機会として身辺処理の確立に努め、家庭との連絡を密にして、学校における指導が家庭でも生かされるように配慮する。

(三) 作業学習を取り入れ、社会自立の精神を強化する指導法について研究を進める。

作業学習では、結果よりもその過程を大事にし、作業態度や分担の責任等、社会的訓練を通して社会自立の精神を養うよう留意する。

(四) 危険な場所を熟知させ、危険から身を守る方法について具体的に指導するとともに、交通事故防止のための訓練、安全な遊びの指導を徹底する。

(五) 地域関係機関やPTA、親の会などとの連絡を密にし、事故防止に対する協力を得るとともに、事故が生じた場合の処理について万全を期する。

 

六、実態に即した進路指導の充実を図る。

 

(一) 進路指導を全体計画の中に正しく位置づけ、適切な時間を確保し、指導の徹底を図る。

(二) 進路に関する情報、資料等を収集整理して、その活用を計画的に指導する。

(三) 自己の障害を理解し、その障害に基づく種々の困難を克服し、自己の進路を設計できるよう指導する。

(四) 進路決定に当たっては、生徒の障害の程度、能力、特性を的確には握し、保護者の意見をじゅうぶん反映させるよう努める。

(五) 就職指導に当たっては、職業安定所、事業所等の関係機関と密接な連絡をとり、適切な指導をする。

 

七、地域社会の啓発に努める。

 

(一) 全校職員が心身障害児教育に対する正しい認識を持ち、共通理解に立って地域社会の啓発に当たれるよう研修を深める。

(二) 健常時と障害児との交流等によって友愛の精神を育て、健常児を通して全保護者が、心身障害児に対する正しい理解を持つように努力する。

(三) 授業参観や作品展示会、学習発表会等を通して地域社会の理解と協力を得るよう努力する。

(四) 広報活動を活発にし、障害児教育に対する理解と共感を得ることができるように努める。

(五) 特殊教育研究諸団体及び各種親の会と密接な協力関係を保ち、障害児教育に関する地域社会の啓発を進める。

 

幼稚園教育

る。幼稚園教育をどのように充実させていくかは、今日の大きな課題でもある。

 

人間形成における幼児期の教育の重要性にかんがみ、社会の幼稚園教育に対する期待はいっそう高まってきている。幼稚園教育をどのように充実させていくかは、今日の大きな課題でもある。

この解決のためにも、次の諸点に努力し、教育の効果をいっそう高めることが望まれる。

 

一、幼児の心身の発達の程度や幼稚園の実情などを的確には握し、適性な教育課程を編成して実施する。

 

(一) 教育課程の意義を正しく理解し、指導計画との関連を明らかにする。

教育課程とは、学校教育の目的や目標を有効に達成するための教育内容を、幼児の心身の発達に応じ、組織し配列した学校における教育計画の全体である。

指導計画とは、具体的な指導のねらいや内容、指導の順序、方法を定めた具体的計画である。

(二) 幼児どうしの会話、活動の様子など日常の指導の中での観察を細やかにするとともに、父母との話し合いや諸検査の結果などから、幼児の個性や能力などの実態を的確には握する。

(三) 幼稚園の運動場や遊戯室の広さ、園舎内外で飼育栽培する動植物の種類と数量、利用可能な園具、教具などを、幼児の経験や活動とのかかわり合いから明確にとらえておく。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。