教育福島0022号(1977年(S52)07月)-031page
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ようにすることが第一の前提である。そのためには基礎的・基本的内容の定着向上を図る必要がある。
▲ 方法
○ 基礎となる国語・算数を中心として
○ 予習復習のドリル的学習をとおして
〇 単元末に力だめしを行い、八十点以上を目やすとする。
○ 合格者には、合格カードを渡し、教室の学習コーナーにちょう付する。
○ テスト類は一度だけで終わりとせず、つまづきを自覚させ、朱書で再点検し正しく理解させる。
〇 一人一人の学習成果のあかしとして累積させ、自己反省させる。
2) 音楽教育を手がかりとして
〇 学級の歌を童師でつくり上げ学級意識、創造性をもり上げる。
○ 音楽集会を日番が中心となって運営し、心の和を広げる。
○ 小アンサンブルの学習をとおして自分の力の大事さに気づかせる。
3) 詩の指導を手がかりとして
▲ ねらい
物事に感動する目を育てるとともに、詩の指導をとおして、一人一人の内面的なものを発掘し、学習意欲をもたせ、心を育てる教育の一助としたい。
▲ 方法
○ 学習帳を利用し、日常生活の中で取材させ、感じた事を書かせる。
○ 子供らの心情や、生活態度の理解にも役立たせる。
○ 質的向上も目ざし「青い窓」その他関係機関への投稿も試みる。
▲ 実践事例
ほめられた
K男
きょうほめられた
だからうれしくて
たまらなかった
かけざんができた
せ(ん)せいがゆた(いった)とおり
できるようにな(っ)た
せ(ん)せいは
ほんとうに
ぼくのことを
おいてきぼりにしないんだな
せ(ん)せいをおもうと
うれしくて
なきだすときもある
◎ この詩は、学力の優れない子がかけざんの方法を理解した時の、よろこびのほとばしりの声である。
このよろこびが自信となり、他教科への転移の原動力となることを信じて止まない。
◎ 質的向上を目ざして
「青い窓」特選入賞者、及びラジオで全国放送された子供も出てきた。子らの無限の可能性の開発こそ私たちの大事な使命であろう。
◎ 不用意にもらす教師のことば。それはどんなに子供の心を傷つけているかを知らされた詩。内向的な子であるだけに、痛いほど胸につきささった。
わり算
N子
わたしは
わり算ができない
先生は
「こんなのできなくては
五年生にいけないよ」
といった
わたしの心ぞうは
ふつうはきこえないのに
耳のおくにきこえてきた
そしてなきたくなった
(3) 生徒指導の面でのふれ合いを手だてとしての実践
1) 学級いも煮会の試み
日曜日を子らとともに
▲ ねらい
共働きの多いこの地区は、日曜日の過ごし方が大きな課題の一つである。併せて全員参加で、童師ともに楽しい一日を過ごすことにより、学級集団の心のつながりを深いものにする。
▲ 収穫
○ 学校では見られない子供たちの生き生きした姿を見ることができた。
○ 野外炊飯によって、男女の協力のすばらしさを体得した。
○ 内向的な子が器用に炊事をし、積極的な行動ができる事を発見した。
○ 「先生はお母さんみたい。」とエプロン姿の私に親近感をよせた。
○ 芝生にねころんだり、すもうをとったりして、膚をとおしたふれ合いができた。
2) 小さな親切運動の展開(略)
七、児童の変容と今後の課題
(1) 学習意欲が強くなってきた。
▲ 二月の作文「自分への手紙」から
E男「算数の時間になると、心がうきうきするようになってきた。」
N女「今はふしぎに思うほど、たくさん勉強するようになった。」
Y男「授業が楽しくなり、家庭学習帳もNo.3になった。毎日やろう。」
S女「テスト、なんと百点。びっくりだ。やればできるんだな。」
(2) 学力向上の度合い
▲ 国語・算数学力調査結果から
実施月 国語80点以上 同% 算数80点以上 同% 九月 一四名 四〇% 一三名 三七% 二月 二六名 七四% 二九名 八三% ○ 問題点はあるが、とにかく予想をはるかに超える結果であった。
(3) 学級集団としてまとまりが強まり、父兄ともに意欲的になってきた。
(4) 諸活動に思いやりとぬくもりがあふれ、協調性が深まってきた。
K男「ぼくたちの学級は仲間はずれが一人もいないんだ。」と。
(5) 日常継続できるものは、今後も続けていきたい。
(6) 今後学年経営、学校との関連の面で検討を加え、いっそう充実したものにしていきたい。
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