教育福島0022号(1977年(S52)07月)-030page
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研究実践の紹介
個性を伸ばす学級経営の試み
郡山市立柴宮刀澤校教諭 高坂愛子
一、主題設定の理由
(1) 本校教育目標「情操豊かで自己の能力を最大限に発揮できる心身ともに健康な子どもの育成」を具現化するために。
(2) 心を育てる教育を志向して
「豊かな人間性の育成」は、教育の本質的な課題である。学級経営の中で、何をどのように実践すれば、心の豊かさを培うことができるのか、実践を試みたい。
(3) 児童の実態から
学力向上そのものよりも、学習に取り組む姿勢や、望ましい学級集団としての質的向上を志向するために。
二、学級の実態(四年二組)
(1) 在籍三十五名、童師間・児童相互間の心の結びつきが弱い。
(2) 明るくすなおであるが、学習意欲が低く自己中心的で思いやりの心がうすい。
(3) 保護者の教育的関心は高いが、自分の子供中心の傾向が強い。
三、研究仮説
一人一人の子供をよく理解することに努め、心と心のつながりを深める学級経営を推進する過程において、次の視点から意図的、計画的に継続実践することによって、課題の解決が期待されるであろう。
四、研究の視点
(1) 心の結びつきを深めるために
○ 児童理解に努め、その活用を図る。
〇 学級集団の中での理解を深め、学習集団として望ましいふんい気の醸成。
(2) 学習の取り組みや方法等、質的向上を図り学力を定着させる。
(3) 生徒指導的な面から
〇 人の立場を考えることの指導。
○ みんなで協力して事をなしとげる姿勢の育成。
五、研究の方針
(1) 理論的な研究よりも、日常継続できる実践内容としたい。
(2) 計画〜実践〜反省のサイクルをとおして、改善向上を図る。
(3) 一人一人の考え方を大事にし、前向きに取り組めるよう配慮する。
六、実践の概要
(1) 心の結びつきを深めるための実践
(2) 一行日記方式による心の交流
▲ ねらい
〇 童師の心のつながりを大事にする。
○ すべての子供を公平に扱う。
○ 簡単で長続きする方法をとる。
▲ 家庭学習帳の効果への期待
○ 家庭学習は自主的学習意欲や態度と、学力向上を目指すものである。
○ 学習帳を質的に高め、子供の内から発する意志として習慣化させ、学習に喜びや成功感を与える。
▲ 方法
○ 毎日学習帳の学習記録の末尾に、一行日記を記入して提出させる。
○ それについて一言、教師のはげまし、賞讃等全員に書き添えてやる。
○ 保護者への連絡等も、このノートを利用し現在まで継続している。
▲ 実践の結果
○ 学習の方法がわかると同時に、毎日担任と心を通わす喜びが自信となり、学習意欲が出てきた。
○ 内向的な子が、心の中をぶちまけてくるようになってきた。
○ 子供のなやみ、欲求などを知る手がかりとなった。
○ 毎日全員に記すことは簡単なようで容易でない仕事であるが、子供に負けないよう自戒している。
○ 父兄にも浸透してきている。
T男の母から(原文のまま)
(略)はじめはいやいやながらやっておりましたが、近頃は自分から進んでやるようになりました。勉強していった事が認められ、励ましてもらう一言が、わが子にとっては、何百人もの味方を得たようなすばらしいことなんです (略)
○ 教師の期待や子供の喜びを実現するために、教師はどのような助言をし、励ましを与え指導すればよいのか、それは子供と教師の心の結びつき(人間関係の深さ)にかかっているものと信じている。
2) 児童理解のための実践 (略)
3) 給食の時間に子供らの仲間に入って、膚をとおしての実践(略)
(2) 学習への取り組みで意欲化を図る実践
1) 学習の記録「足あと」を利用して
▲ ねらい
学習意欲の向上は、まず「わかる」
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