教育福島0024号(1977年(S52)09月)-038page

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福島県教育センターから

 

(研修レポート)

情報処理教育講座

 

教育センター第三研修部は、主として情報処理教育を担当し、年間十一講座を開設して、延八百三十人の受講者がおります。

本年度の講座を受講した先生がたのレポ-卜を紹介いたします。

 

リンゴ畑のまん中で

会津工業高等学校教諭

小滝彦市

リンゴ畑の真中にある教育センターは、我々が一度は、と思いながら、果たし得なかったところですが、ようやく順番が回ってきて、平均年齢三十三・三歳という若さの中に埋もれて、さわやかにも、まことに楽しい五日間の研修でした。

殺到する雑務から完全に解放され、日ごろの教科上の疑問が一つずつ解けていくのに気をよくしているのに、気がつくと、浴場での体重計が少しずつ右まわりを始め、「オヤッ」と思ったところで、再びけん騒の中への逆もどり病気する仲間もなく、まずは貴重な研修でした。

コンピュータは、いじわるで、長い文章の中で、たった一つ、点とコンマとの打ち違いのようなものでも見逃がさず「エラーですよ」とメッセージを出して、たし算一つすらやらない。「この機械野郎め」と舌うちするが、それが通じる相手ではない。

それだけに、長い間あたためてきた専門教科での試行錯誤問題を、機械にかけて、プリンターが音を立て、計算をし始めるのを見る喜びは、まさに、「ひとには言わじコンピの味。」

ついには、朝食直後から計算機室にこもりきりで、夜八時にようやく御帰館という猛者も、何人かあらわれ、この期間中は、主任の桜井先生をはじめ紅一点を含めて、所員のかたがたのたいへんなやく日になっているのであろうと恐縮しているしだいです。土田部長の言われるように、コンピには、人をマニアにする魔性を備えているものと思われます。聞けば、これら研修生の勤務校には、電子計算機があるとは限らない。センター研修中のみが唯一の実習期間であるという。その熱心さについこちらも巻きこまれ、パンチカードが、いつの間にか五十センチもたまり、プログラムシートとともに、大事な宝物となりました。

畳水練ではなく、できるだけ多ぐ実施訓練をという大方針と、綿密な講義とおそろしいまでの指導上のしつこさ失礼、丁寧さ、とがある限り研修生の学習意欲はますますかき立てられていくものと思われる。

帰校後、仕事の上で、無意識にフローチャートを書き出したのに気がつきこれもセンターの後遺症かと苦笑いをしました。

十年後には、わが国で十八万人の情報技術者が不足するというコマーシャルも出る世の中で工業高校では必修の基礎実習の一パートに、情報処理技術をとり上げることになりました。コンピの使用は今や国民的教養となりました。

帰途には、所長さん御苦心の宿舎のクーラー取り付け工事を見て来ましたが、今後の研修生のいっそう豊かな実りを祈ります。

 

フォートラン初級講座を受講して

須賀川高等学校実習助手

半沢富美子

私は須賀川高校商業科の実習助手です。今回FORTRAN初級講座受講の機会を得、勉強して参りました。

わが校にも昨年二月、待望のミニコンピュータFACOM・MATE2)が導入されました。今学校では毎日、コンピュータはフル回転で活躍しています。

まず、研修の始まる前に実社会での情報処理の様子(電子計算機に日本語の情報をそのまま入力する研究がなされている。普及率の増大、大量の情報処理等)を聞き、目まぐるしく変わる情報化社会の中で、情報処理の研究が休みなく続けられていることを、ここで再確認。処理能力の向上に驚いてしまいました。

私たちは四泊五日の日程でした。第一日目から第三日目前半までは座学。途中簡単なコーディングをしてすぐRUN(機械にかける)即、出力装置から印字されてくる。そのスピードにまず驚く。(一分間に千行も印字してしまうのですから   。わが校のミニコンは、読み取り装置の差もありますが、四百行。研修から帰って機械室をのぞき、出力装置から印字される様子を見てると、ちょっとじれったくなるくらい、壊れてんじゃないのと思うほ

 

 

 


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