教育福島0024号(1977年(S52)09月)-039page

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どし全くすごい速さです。)

三日目後半から五日目と丸二日間は演習に充てられました。自分で納得のいくプログラムを作る-→出来上がりも思ったとおり-→と出てくると喜びは大きい。初めて本気で取り組み、コンピュータ演習のおもしろさを味わいました。機械操作も「習うより慣れよ!」の実感あり。所員のかたたちも親切で、心良く質問に応待、いっしょになって頭を絞ってくれ、居心地良く研修を受けることができました。他校の先生がたの意欲的な態度を見るにつけ私もがんばらねばとファイトが湧いてきます。とにかく自分自身で考え、実習しなければ覚えられない。そこに演習のおもしろさ、重要さがあると思いました。

 

最後の日、演習問題が三問出され、そのうち一題しか解けず、そればかりが心のこりでしたが、教育センターの有意義な研修に満足感にひたりながら帰って参りました。

以前購入してそのままになっていた参考書。これからももう一度開いて勉強するのが楽しみになってきたようです。実習をとおして私個人の勉強法などもつかめたつもりです。わが校のミニコンをフルに使い、一歩一歩着実に身体で覚え込んで行こうと思います。

こうして当初の私の下手な先入観(COMPUTER=DIFFICULT)を打ち消していってくれるようです。

 

コンピュータ講座に参加して

聾(ろう)学校教諭

長谷川力

六月二十八日、何もわからず、新しい学習への好奇心から始め、少々不安な気持ちで教育センターに入り、その日から七月二日までのフォートラン初級、七月四日から八日までのフォートラン中級の十日間の研修講座に参加しました。

しかし、研修が始まると講義や実習に親切な指導をしていただき、最初の不安はすぐになくなり、安心し楽しくなりました。そうして朝には、昨日の失敗や、昨夜のうちにプログラミングしておいた課題の結果を知りたい一心で、朝食もそこそこに研修室に行き、カードをせん孔し、コンピュータにランをして成功の喜びにひたったものです。

反面、失敗ばかりの日には、夕食後八時ころまでコンピュータ室を占拠しセンターの先生がたにも夜おそくまで御迷惑をかけたこともしばしばでした。

私は、福島県の教職について五年目に入りました。そして今日まで聾学校という特殊教育にたずさわってきました。

そして、後進的な教育内容の現状などに対する不満をいだきながらも、常に新しい学習への好奇心をもち、少しでも特殊教育の中に役立つものであれば   という期待をもって、この研修に参加したわけでした。

結果は、私にとってほんとうに有意義な講座だったのです。

そして私は、これからはいろいろな講座に参加してみようと思いました。

それは目標を同じくするかたがたとの交流もさることながら、私への動機づけ、啓蒙   などが、私のなかで、一つ一つの意欲となって発生する感激がたまらないからです。

発生したものをどのように処理し、活用していこうかという自己課題をにぎっているせわしい気分がたまらなく楽しいからなのです。

 

情報処理講座を受講して

保原高等学校教諭

城田斯長

私の場合、コンピュータを教えているわけでもないし、特に必要にせまられたのでもなく、私には手のとどかないと思っていた「怪物」が目の前に現われたからというのが、卒直な受講の動機でした。以前より本を頼りにかじっておりましたが、ピンとくるものがなく空をきるばかり、なんとか自分の意志でコンピュータを動かし、仕事をさせたいという意図をもって研修にのぞみました。

五日間の研修でしたが自分の意志をだせるどころか、ただただコンピュータにふりまわされ、まさに「怪物」であり奴隷のように従順にさせられ、コンピュータが偉大にみえ、見捨てられないように必死でした。しかし、余裕ができ、対等な立場にたつとこの怪物はただの機械でしかない-人間の命令なしになにもできない・未知の事がらを学習できない・直感的に物事をとらえられないとわかったとき、情報化社会の主役であるコンピュータの仕事ぶりからして何かかなしさがにじみでているそんな感傷にかられました。

なんとかこの機械と対話ができ、自分の意志が通じるようになり、問題を完全に分析し、どう計算機にやらせるか、構想をたてることがたいせつなんだと思えるようになったとき、研修は終わりでした。

私には、情報処理について直接教えるということはないかもしれませんが問題を分析し、問題を解くための手順をつくり、計算機の言葉にし、計算機にかけるという手法は、教育現場において教材を分析し構造を明らかにし、生徒が動きやすく、わかりやすく教案をつくるのと本質的には同じではないかと思います。しかし相手が機械でなく人間であるので、いろいろな面ではるかに高度であり、複雑であり、多彩であり、今までと違った教育の難かしさを内包していることを知り、私に一つの課題が与えられたような気がしております。

私にとってコンピュータとの付き合いは今後も続くであろうが、一つには教育現場におけるコンピュータの有用性を考えながら、情報処理を効率的にやっていきたい。二つには趣味としてコンピュータそのものをさらに深めて仕事をさせることを考えていきたいと思っております。

 

 

 


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