教育福島0024号(1977年(S52)09月)-044page

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福島の文化財

 

福島県指定重要無形民俗文化財

鈴石の太々神楽

 

二本松市鈴石町 鈴石神社内

 

鈴石神社の太々神楽

 

鈴石神社の太々神楽

 

二本松市、鈴石神社の太々(だいだい)神楽は、明治維新までは、この方部の神主たちが互いに集まって演じていた出雲流の神楽であった。維新後、神主たちが集まらないようになってから、神楽は氏子の人たちによって引き継がれ、その人たちの努力により、今日まで伝承されてきた。白岩、浮島神社の太々神楽と同流のものである。もと三十六座あったと言われているが、鈴石では今、大麻(たいま)一本扇(おおぎ)、榊楽(さかきがく)以下、二十七座を伝えている。

採物舞(とりものまい)と能とが一つになっており、「岩戸開(いわとびらき)」に一言入るのみで、神歌(かみうた)も詞章も別になく、もっぱら大小太鼓、小鼓、篠(しの)笛、能管等による囃子(はやし)で舞う。その囃子には、下(くだ)り羽(は)、下(くだ)り羽前(はまえ)、舞出し、たこたんぽ、四つ拍子、七つ拍子、四つくづし、五神囃子、二段、吾妻(あづま)拍子、乱声、小拍子、大和拍子、おひとろ、鎌倉、吹上等があり、これらが曲によって適宜組み合わされる。その音楽には、牧歌的な美しさがある。舞は比較的単調であるが、関東の土師(はじ)流とも異なり、岩代・磐城風ともいうべき特色を備えている。

維新伝授の際、比較的しっかりしたものを伝えており、この方部の神楽の代表的なものとして価値がある。

所在地 二本松市鈴石町四一番地 鈴石神社内

保護団体 鈴石神社太々神楽保存会

代表者 会長 大内喜代美(二本松市五月町三丁目一六六番地)

 

 

 


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