教育福島0027号(1977年(S52)12月)-023page

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北海道・東北ブロック民俗芸能大会における会津大念仏踊り(山形県民会館)

 

北海道・東北ブロック民俗芸能大会における会津大念仏踊り(山形県民会館)

 

寺が統制の中心となって今日に至っている。

(3)時期及び場所

摂取語は二十四組あり、議員は合わせて四百名を越す。摂取講はほぼ全会津にわたるが、今回の出演団体である喜多方市熊倉小沼の安養寺を中心とした北方(きたかた)と、会津高田町の地蔵尊を中心とした南方(みなみかた)、それに猪苗代の三地区に大別される。それぞれの講中は縁日をきめて、ほぼ地区内の議員を招待して踊る。なお、安養寺の縁日は八月三十日である。

(4)構成と内容

役員は本部となる融通寺に総長、副総長各一名と、大(おお)世話人、中(ちゅう)世話人、常(しょう)世話人を置く。

踊りに先立って、まず本堂に列座し内(うち)念仏ともいう次の十一項からなる回向勧行(えこうこんぎょう)が行われる。

1)香掲(こうぎ)

2)三宝礼(さんぽうらい)

3)三奉請(さんぽうぎょう)

4)歎仏偈(たんぶつぎ)

5)略懺悔(りゃくざんげ)

6)十念(じゅうねん)

7)開経偈(かいきょうぎ)

8)回向

9)会津三十三所観世音御詠歌

10)舎利礼文(しゃりらいもん)

11)照益偈(しょうえきぎ)

回向は導師につれて唱和し、はじめに大念仏摂取講教友清規を読み上げることもある。

このあと一同は、前庭(まえにわ)に出て円陣をつくり念仏踊りとなる。囃子は大太鼓鉦、篠(しの)笛によるが数は特にきまっておらず、二・三名ずつのことが多く、主として男性があたる。大太鼓の打法は次の十三通りの九十揆(ばち)ときまっている。

1)三三九度(九揆)

2)八卦八仏(はっけはちぶつ)(八揆)

3)大揃(おおぞろい)(二十三揆)

4)柳(やなぎ)(五揆)

5)宝昌(ほうしょう)(一揆)

6)車(四際)

7)車袖(くるまそで)(二揆)

8)千鳥(十揆)

9)千鳥袖(ちどりそで)(二揆)

10)都美(はつみ)(二揆)

11)小揃(こぞろい)(十二揆)

12)結び(六揆)

13)山越(やまごえ)(六揆)

九十揆というのは、舎利礼文の七十二字と南無光明遍照十方世界念仏衆生取不捨(なむこうみょうへんしょうじゅうほうせかいねんぶつしゅじょうせっしゅふしゃ)の請益文(しょうえきもん)十八字を合わせたものといい、やはり供養念仏の姿を強くとどめている。

踊り手は位置の移動はせず、その場での手踊りであるが、四つ竹を持って調子に合わせることもある。振りは地区によって多少異なるものの、芸能としては大変素朴な踊りである。

踊りの後半には道化のヒョットコやオカメが出て、踊り手の間をぬって歩き、興を添える趣向もある。

 

 

 


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