教育福島0029号(1978年(S53)02月)-022page
る。また、小学校・中学校の基礎の上に、衣食住、保育等に関する知識と技術を実践的・体験的な学習活動を通して習得させる教科である。このような教科の特性をふまえ、次の諸点に留意して指導する必要がある。
一、家庭に関するすべての科目の基礎である「家庭一般」の指導を充実させる。
(一) 家庭経営の立場から衣食性.保育等に関する知識と技術を総合的に習得できるように指導内容の構造化と重点化を図り、指導計画を改善する。
(二) 実践的・体験的学習をする教科としての性格をふまえ、講義による教師中心の指導に偏することなく、いろいろの指導法、指導形態をくふうして実践的・体験的に学ばせるようにする。
(三) 学習過程の組み立て、発問.資料の提示のしかた等をくふうし、生徒が主体的に学習に取り組めるようにする。
二、実践的・体験的学習の中核となる実験・実習の指導をいっそう効果的に進めるようにする。
(一) 実験・実習の指導に当たっては、科目の目標・内容を検討し、理論と実験・実習を融合して指導できるよう指導計画を改善する。
(二) 実験・実習の内容に応じて、いっせい学習、グループ学習、分割学習など適切な学習形態を取り入れ、知識.技術が確実に身につくようにする。また個別指導を重視するとともに、技術検定も進んで受けさせるようにする。
(三) 実験・実習の指導を安全かつ効果的に進めるため、新しい産振基準について研究を深め、自校の教育課程に基づいて年次計画を立て、施設・設備の整備に努める。
三、ホームプロジェクトや学校家庭クラブ活動を重視し、効果的な指導についてくふうする。
(一) 「家庭一般」においては、ホームプロジェクトの題材の選び方及び実践の方法を徹底するように指導する。
(二) 「家庭一般」以外の科目においても、ホームプロジェクトを実施するよう指導計画に位置づけ実践させる。
(三) 学校家庭クラブの活動については研究活動をいっそう重視し、校内における研究組織を確立し計画的に活動させるようにする。
四、女子の特性や将来の進路等を考慮して家庭科教育がいっそう推進できるようにする。
(一) 家庭に関する学科以外の学科(普通科等)においては、女子の特性や将来の進路に応じて「家庭一般」以外の家庭に関する科目も履修できるよう教育課程の編成に当たって配慮すること。
(二) 家庭に関する学科(家政科・保育科)においては、学科の目標についてじゅうぶん検討し、生徒・学校・地域の実態に適する専門学科として特色づけるようにする。
(三) 家政科の教育課程の編成に当たっては、生徒の能力・適性・進路に応じて選択し、専門性の高い知識・技術を習得させることができるように配慮すること。
体育 保健体育
小学校
児童の発達の特性をふまえ、適切な運動の経験を通して運動に親しませるとともに、身近な生活における健康・安全について理解させ、健康の増進及び体力の向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てるために、次の点について努力する。
一、学習指導要領改正に基づき移行措置を図る。
(一) 新学習指導要領の趣旨を生かし、移行期間中その全部について、新学習指導要領により指導できるようにする。
指導計画の作成に当たっては、県教育委員会編「移行措置資料」を参照がこと。
二、体力を高める。
(一) 適正な運動量の確保と、活動の質の向上に努める。
そのため、教師の説明は具体的で簡潔にするとともに、学習のきまりをつくり、能率的に安全に行えるようにする。
また、多彩な運動を豊富に経験させ、質を高めるため指導法をくふうするとともに、施設、用具の充実・整備をする。
(二) 課題に向かって全力でいどむ態度を育てる。
そのため、一人一人の児童の体力や技能に応じ、運動の喜びを体験させるようくふうする。
また、運動の基礎である脚力を強化するため、毎時間走運動を取り入れ、全力で走り切らせるようにする。
(体力づくりについては、教育福島