教育福島0029号(1978年(S53)02月)-033page

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二、盲・聾(ろう)・養護学校、特殊学級の実態に即した運営をくふうする。

 

(一) 教育目標の具体化、実践化の適切な運営計画をたて、全校職員が共通理解にたち、効果的な養護教育がすすめられる学校運営に努める。

(二) 児童福祉施設、医療施設等と密接な提携を図り、福祉、医療、教育間の情報交換等を組織的に行い、障害児の全面発達を促進できる学校、学級運営をくふうする。

(三) 特殊学級は、学級編制の方針を明確にし、学校経営の中に正しく位置づけ、適切な運営に努める。

(四) 障害児童生徒と健常児の分離教育統合教育の必要性をそれぞれじゅうぶん検討のうえ、健常児との適切な交流のしかたをくふうする。

(五) 校内研修の努力目標を設定し、研修計画を学校経営計画の中に位置づけ、養護教育の多様化に応じられる研修の組織的推進に努める。

 

三、障害の種別・程度に応じた教育課程の編成に努める。

 

(一) 盲・聾(ろう)・養護学校学習指導要領を基準にし、障害の実態に即した教育課程を編成する。

生活科、道徳、養護・訓練については、学級と個々の児童生徒の実態を考慮し、適切な方途を講ずる。

(二) 指導計画は、学級の実態に即して合科・統合の指導形態、教科別・領域別指導形態を適切に組み合わせて作成するように努める。

(三) 障害の程度や特性に応じるため、個別に指導の目標をたて、評価しながら指導を進めるよう配慮する。

同じ題材で学習を進める場合でも学習の到達目標や内容を個別に用意し、到達度、適応のしかた等を確かめながら指導するように努める。

 

四、障害に応じた指導方法・教材教具の活用、開発に努める。

 

(一) 児童生徒一人一人の心身の障害の程度、発達段階に応じた科学的な指導法の研究に努める。

(二) 心身障害児は、学習の補助手段として健常児以上に教材教具を必要とするため、教科書その他の既製の教材教具等の使用について絶えず研究し、効果的な活用を図る。

(三) 視聴覚教材や学校図書館の資料等についても、児童生徒の特性や能力に合ったものを精選して、その活用を図る。

(四) 児童生徒一人一人の特性に合った教材教具の創作に努める。

 

五、身辺処理の確立、社会的自立を強化する指導をくふうする。

 

(一) 観察や調査、検査を実施して、個人理解のための資料を整備し、有効な指導方針を立てて指導に当たるよう努める。

(二) 学校におけるあらゆる場を日常生活指導の機会として、身辺処理の確立に努めるとともに、家庭との連絡を密にして、学校における指導が家庭でも生かされるように配慮する。

(三) 作業学習を取り入れ、社会自立の意欲を高める指導法について研究を進める。

作業学習では、その態度や分担の責任等、社会的訓練を通して社会自立の意欲を養うよう留意する。

(四) 危険な場所を熟知させ、危険から身を守る方法について具体的に指導するとともに、交通事故防止のための訓練、安全な遊びの指導を徹底する。

(五) 地域関係機関やPTA、親の会などとの連絡を密にし、事故防止に対する協力を得るとともに、事故が生じた場合の処理について万全を期する。

 

六、実態に即した進路指導の充実を図る。

 

(一) 進路指導を全体計画の中に正しく位置づけ、適切な時間を確保し、指導の徹底を図る。

(二) 進路に関する情報、資料等を収集整理して、その計画的な活用に努める。

(三) 自己の障害を理解し、その障害に基づく種々の困難を克服しながら、自己の進路を設計できるよう指導する。

(四) 進路決定に当たっては、生徒の障害の程度、能力、特性を的確には握し、保護者の意見をじゅうぶん反映させるよう努める。

(五) 就職指導に当たっては、職業安定所、事業所等の関係機関と密接な連絡を取り、適切な指導をする。

 

七、地域社会の啓発に努める。

 

(一) 全校職員が養護教育に対する正しい認識を持ち、共通理解に立って地域社会の啓発に当たれるよう研修を深める。

(二) 健常児と障害児との交流等によって友愛の精神を育て、健常児を通して、全保護者が心身障害児に対する正しい理解を持つよう努力する。

(三) 授業参観や作品展示会、学習発表会等を通して、地域社会の理解と協力を得るよう努力する。

(四) 広報活動を活発にし、養護教育に対する理解と共感を得ることができるように努める。

(五) 養護教育研究諸団体及び各種親の会等と、密接な協力関係を保ち、障害児教育に関する地域社会の啓発を進める。

 

 

 


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