教育福島0030号(1978年(S53)04月)-024page

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的に偏っているので、各地域の県民に鑑賞の機会を提供するとともに、県民みずから芸術文化活動に参加し、創造する意欲を促して、地域芸術文化の振興を図る必要があろう。

二、施策の基本方向

県内各地で美術展や舞台芸術公演等芸術鑑賞の機会を拡充するとともに、市町村と連携して積極的に鑑賞事業を推進する。

 

第二節 文化施設

 

一、現状と課題

(一)創造活動発表・参加の場(文化会館等)

文化会館は、舞台芸術の鑑賞や、住民文化活動成果の発表の場として利用され、公民館は身近な文化活動の拠点となっている。今後は、県民の文化活動の場について、既存施設の活用や整備を促進するとともに、地域的な適正配置を考慮して、計画的に整備を進める必要があろう。

(二)文化財等保存・公開の場(博物館等)

本県には歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集・保管展示し、調査研究等を行う博物館や、埋蔵文化財の出土品を収蔵するための施設が不足している。

従って、これら博物館等については既存施設の機能の拡充と、地域的な適正配置を考慮して整備を進める必要があろう。

(三)県文化センター

県文化センターは、本県文化施設の中枢として、その機能を高め、県民に芸術文化に接する機会を提供しているが、更に、その充実が望まれている。

二、施策の基本方向

(一)創造活動発表・参加の場

広域市町村圏の中核的機能を有する市町村立の文化会館の整備を促進する。更に、新しい構想に基づく個性ある美術館の設置について検討を進める。

(二)文化財等保存・公開の場

本県歴史・文化・調査研究の拠点となり、更に、自然科学の資料保存や公開・研究の拠点となる新しい構想に基づく個性ある博物館などの設置について検討を進める。

(三)県文化センター

施設・設備及び備品等の補修工事・更新について、年次計画により整備する。また、県内各文化会館との有機的連携を促進し、県民への芸術鑑賞の機会提供や、サービス機能を拡充する。

 

第三節 文化の伝承

 

第一項 文化財保護

 

一、現状と課題

地域開発の推進に伴い、文化財保護に関する行政需要はますます増大することから、文化財保護行政の適正な推進体制を確立するとともに、文化財パトロールの充実強化を図る必要があろう。

二、施策の基本方向

(一)文化財保護体制

文化財保護担当職員の増員と市町村文化行政専管係の設置を図る。更に、文化財パトロール事業の強化を図り、適切な指導助言を行う。

 

第二項 文化財指定

 

一、現状と課題

文化財は、地域開発の推進による都市化の進行、生活様式の変化などにより消失化の方向にあり、その保存を図るため、指定調査及び基礎調査を実施し、その保護に万全を期する必要がある。

二、施策の基本方向

(一)文化財の指定

有形・無形文化財については、基礎調査及び資料の収集に努め、指定の促進と指定民有地の公有化を進める。

(二)文化財の基礎資料

文化財の指定推進のため、指定調査及び基礎調査を計画的に実施し、資料の整備を図り、市町村にこれらの積極的な活用を指導する。

 

第二項 文化財保存

 

一、現状と課題

本県指定文化財の防災施設・設備の整備状況は、必ずしもじゅうぶんとはいえず、今後は、指定文化財の防災施設の整備を促進するとともに、これらの維持管理・防災等の経費の助成措置の拡充を図る必要がある。更には、埋蔵文化財の発掘調査事業は、逐年増加しており、今後は、保存・管理・活用を考慮し、調査体制の確立を推進する必要があろう。

二、施策の基本方向

(一)文化財の防災

指定文化財の防災設備を計画的に整備し、文化財の保存・管理に努める。更に、防火に対する啓蒙を図る。

(二)文化財保存助成

国指定文化財の国庫補助事業の高率補助を図るよう努める。また、国・県指定文化財の補助事業助成については県指定文化財の保存助成の充実を図りながら検討を進める。

(三)文化財保存調査

文化財基礎調査を更に計画的に実施し、調査資料の整備と記録の保存を図る。埋蔵文化財については、市町村別に遺跡分布地図原図と遺跡台帳を整備する。更に、発掘調査に必要な調査人員の確保に努め、将来の管理・活用をも考慮した埋蔵文化財調査センターの設置について検討を進める。

 

第四項 文化財の活用

 

一、現状と課題

文化財を県民共有の尊い財産として愛護・活用する意識は、いまだ高いとはいえず、今後は、県民の文化財に対する認識を深め、文化財愛護の高揚を

 

 

 


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