教育福島0031号(1978年(S53)06月)-035page

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参加対象者が比較的、青少年層、あるいは限定されたスポーツ愛好者に片寄りがちであるが、反面スポーツの普及、底辺拡大の呼び水としての役割を果たしている。現に、伝統あるソフトボールや家庭バレーボールは言うに及ばず、二年前から実施した卓球・バドミントンは、今、急激に地域に浸透しつつある。各部落自主的に、坪対抗の球技大会を催し、農休日のレクリエーションとして、バレーボールやソフトボール、あるいは、卓球やバドミントンを楽しむ部落が増加しているのである。ちなみに、本町三十八行政区のうち、昨年度の部落球技大会は十二件、本年度は更に増加する見込みである。

(二) スポーツ年間賞制度の推進と定着

本町の社会体育の振興上、最もユニークな点は、スポーツ年間賞の制度である。昨年度から実施したこの制度は、三地区別に、1)町民運動会、2)壮年ソフトボール大会、3)町民バレーボール大会(家庭バレーボール)、4)町民卓球大会、5)町民バドミントン大会、の五種目を、年間を通して個別に、部落対抗として実施し、各大会に得点を付与して、総合得点を競うものである。

 

武道大会

武道大会

 

町民運動会、壮年ソフトボールは、従来から、三地区別に実施していた大会であるが、ここ数年の町民スポーツの盛り上がりを背景に、五十二年度から新たに三種目を追加してスポーツ年間賞制度として整備した。細目は得点を出場得点と入賞得点に分け、出場得点を大にして、勝負にこだわらず、全部落参加することに意義をもたせるよう配慮してある。又、各大会とも、選手層がかたよらないように、年代別・男女別の選手構成になっていて、老若男女がともにスポーツを楽しめるようなシステムである。更に部落対抗の競技なので、行政区長を筆頭に部落ぐるみの参加である点に、大きな意義がある。

五種目の運営は、三地区の総合体育大会として、地区区長協議会・地区部落体育委員連絡協議会・地区婦人会の三者が推進するが、中核になるのは、部落体育委員連絡協議会である。部落体育委員は、行政区長より各部落数名ずつ委嘱されており、五種目の推進や部落球技大会、あるいは、各種スポーツ活動の世話人として活動しており、本町の社会体育の振興上、体育指導委員とならんで重要な地位を占めている。

 

家庭バレーボール大会

家庭バレーボール大会

 

三、 社会体育施設

 

本町の社会体育施設は、町民体育館一、町民プール一、学校開放体育館三、学校開放校庭五、である。

町民体育館は、昼間の利用こそ少ないが夜間は青年男女を中心としたスポーツクラブで過密状態であり、本年度予算で、中学校体育館にクラブハウスを併設して、全面的な学校開放を行う予定である。

また、グランドは、本町五つの小中学校の校庭を開放しているが、シーズン中は、やはり過密状態であり、町民運動場の設置が望まれる。

 

四、 おわりに

 

本町社会体育の振興は、次の三本の柱から成っている。

一つは、町主催のスポーツ大会、教室、指導者育成の充実である。若干高度なところに目標をおいており、青少年を中心とした、魅力あるスポーツ環境づくりである。

二つは、スポーツ年間賞制度を中核とした、部落対抗のスポーツの振興である。スポーツを身近なところにおくことによって、スポーツの一般化、日常化を目指している。

三つは、部落球技大会の奨励である。農休日のレクリエーションとして、腰のばし運動として、家族ともどもスポーツを楽しめるよう、また、区民の融和と親ぼくを深めるためにも、部落球技大会を町内全部落に普及させることが、本町社会体育振興の今後の課題である。

 

 

 


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