教育福島0035号(1978年(S53)10月)-038page
家庭、技術・家庭講座
研修成果をどう生かしているか
福島県教育センターから
はじめに
本講座は、小学校、高等学校家庭講座と中学校技術・家庭講座からなりたっている。家庭講座は三泊四日、技術・家庭講座は、三泊四日ずつ二回に分けて実施している。
各講座とも定員は十二名で、こじんまりしており、受講者相互の理解や協力関係は極めてよく、和やかな研修風景がみられるのも本講座の一つの特徴となっている。
家庭、技術・家庭科は、実践的体験的な学習を通して、その目標にせまるという性格をもっている。従って、講座の内容や方法等においても、それに沿って、各種実験、計測、整備、製作などの学習が行われることになる。
なお、講座で実施している主な内容については、各校に配布されている研修事業計画一覧表を参照されたい。
各講座に来所されているどの先生がたも、非常に忙しいなか、校長、教頭はもちろん、同僚の先生がたから多大の援助と協力を得て研修に参加することができるのであるから、研修成果は当然児童生徒及び先生がたに還元され、広められなければならないことは当然である。
そこで、昭和五十一年度以降、中学校技術・家庭講座に参加された三人の先生がたに(紙面の関係で家庭講座に参加された先生がたの分は除く)、研修の成果を授業に「どう生かしているか」また、本年度参加された先生には、「どう生かそうとしているのか」についてその事例と考えを寄せていただいたのをここに紹介する。
実験装置の試験風景
授業に生かしている事例等
福島市立福島第一中学校
神田紀
昭和五十一年度の講座に参加させていただきました。前後期それぞれ四日間の研修で得たものは、非常に大きいものがありました。特に、本校の施設設備では生徒たちに与えることのできない内容が、私の心をとりこにしました。材料試験の試験機や試験方法、そのデータなどは代表的なものでありました。
私が講座で研修しました実験、実習のうち、本校の授業に直接役立てました二つの例について、簡単に述べ御礼といたします。
その一つは、材料試験であります。二年生の木材加工領域に、木材の強度について学習する教材があります。試験機、試験方法、破壊標本は教科書に部分的に写真で紹介されているにすぎません。また、そのデータはありません。そこで、曲げ、圧縮の破壊標本をカラースライドにとり、データをTPにまとめ、木材の種類と強度及び木材のじょうぶな使い方の教材に利用いたしました。更に、金属材料試験につ
実験装置とテレビを共有した風景