教育福島0036号(1978年(S53)11月)-011page
昭和四十九年後半からの、急激な住宅建築ブームによる資金不足に対処し、昭和五十年度から支部独自に住宅貸し付けについて特別規制を行ってきたが、最近における社会経済不況の影響もあって、組合員の需要も昨年度から横ばい状態が続き、当該年度の配分資金でじゅうぶんまにあう見通しがついたため、昭和五十三年度からこの規制を徹廃し、組合員の福祉の向上を図った。
(三)資金わくと貸し付け計画
昭和五十三年度の資金わくは、前年度より約六億円伸び、五十四億円を予定しており、貸し付け種類ごとの資金配分と貸し付け計画は、表11、図2のとおりである。
(四)貸付事業の実績
昭和三十八年度から実施されたこの事業は、教職員の福祉向上に大いに役だっているものと考えられるが、特に住宅貸し付けにより、組合員の持ち家取得、あるいは住宅敷地等の購入が促進し、本県教職員の住宅については着々と整備されてきているところである。
(五)住宅貸し付けの実態
最近における、組合員の住宅貸し付けの利用は、子弟の成長に伴う増築、あるいは現住居の老朽化による改築等の理由によるものが増加の傾向にあるが、限度額の引き上げに伴い、若年層の住宅の新築、購入並びに住宅敷地取得のための利用もだいぶふえてきている状況にある。
(六)住宅貸し付けの需要減少と要因
昭和四十九年度後半から急上昇した住宅資金の需要は、最近に至り漸減の傾向にあるが、この要因としては次のようなことが考えられる。
(1)組合員のうち中、高年齢層については、その大半が既に持ち家又は住宅敷地を取得しているものと推測されること。
(2)住宅あるいは住宅敷地等を取得するためには、相当多額の資金調達を必要とし、共済貸し付け金以外に住宅ローンなどの高利の融資をうける必要も生ずるので、これらの償還が
将来の家計経済を圧迫することをおそれ、手控えしているものと思われること。
(七)今後の改善の見とおし
共済貸付事業の改善については、目下本部において検討中であるが、最近における住宅貸し付けの全国的な需要減の傾向から、新たな種類(結婚、各種学校入学貸し付け等)の新設について、明年度予算編成と併せじゅうぶん検討されるものと思われる。
五、宿泊保養施設の整備
(一)飯坂保養所の現状と今年度の課題
昭和五十二年度の決算において、利用者の減少とあいまって人件費を含め諸経費の増高により千八百三十余万円と創設以来の赤字運営であった。
本年度の大きな課題の一つに赤字額の解消対策について鋭意検討の結果、努力目標として、第一に外部に対してより誘客を図るため積極的にセールス活動を続けるとともに内部的には経営管理の徹底と人的サービスの向上が課題であるとの結論に達した。
セールス活動については組合員所属へのダイレクトメールと訪問誘客の実施を進め、経営管理の面では予算のより効率的執行を図るべく、飲材の購入方法を始め、固定経費の徹底見直しによる効率化、更には従業員一人一人が心からの接客に努めることによる利用者への満足度を高め利用者を通じての口コミ効果をも併せ期待することとした。
以上の結果、本年度わずかに五か月の実績ではあるが、表13のとおりかなりの効果が表われている。
今年度の課題としては、消防法の一部改正により、(イ)自家発電設備の設置 (ロ)誘導灯・標示灯の増改設 (ハ)非常回路の耐熱線への交換等について昭和五十四年三月末日までに施工義務による所要経費約七百万円、更に去る六月十二日の宮城県沖地震による建物等構築物への被害による復旧工事に約七〜八
図2 貸し付け種類別配分割合
表11 資金配分と貸し付け予定(単位:千円)
貸付種別 貸付件数 配分額 一般貸付け 860 430,000 大学入学貸付け 260 130,000 災害貸付け 6 3,000 医療貸付け 5 3,000 住宅貸付け 1,000 4,834,000 計 2,131 5,400,000
表12 事由別住宅貸し付け実績(昭和四十九〜五十三年度)
新築 敷地購入 増・改築 修理 土地付住宅購入 住宅購入 合計 2,061件 712件 1,223件 243件 251件 24件 4,514件
表13 損益算定対比表(4〜8月)
前年度 本年度 比較増減(△) 収入合計 67,946,372円 72,537,822円 4,591,490円 支出合計 59,424,787 58,650,239 △774.548 利用人員対比表(4〜8月) 前年度 本年度 増減(△) 宿泊利用者 9,331人 10,024人 693人 宿泊外利用者 5,822 5,933 111 結婚組数 8 6 △2 注.支出額は直接経費のみで引当金は含まれない。