教育福島0036号(1978年(S53)11月)-020page
高等学校学習指導要領の改訂
特色ある学校づくりを目指して
今回教育課程審議会が発表した「教育課程の基準の改善について」をみると、改善の方針として次の三つをねらいとしている。
一、人間性豊かな児童生徒を育てること。
二、ゆとりのあるしかも充実した学校生活が送れるようにすること。
三、国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視するとともに児童生徒の個性や能力に応じた教育が行われるようにすること。
このねらいを高等学校段階で実現するため、次のような基本的な改善を行うこととした。
1、特色ある学校づくり
2、個性を生かす教育
3、ゆとりある学校生活
4、勤労体験の重視
総則
一、必修教科・科目の縮小
教科 新 現行 国語 国語I(4) 現代国語(7),古典I甲(2) 社会 現代社会(4) 倫理・社会(2),政治・経済のほか日本史(3),世界史(3),地理A(3)地理B(3)のうちから2科目 数学 数学I(4) 数学一般(6)または数学I(6) 理科 理科I(4) 基礎理科(6)または物理I((3),化学I(3),生物I(3),地学I(3)のうち2科目 保健体育,芸術,家庭については現行通り
二、教育課程の編成・実施上の弾力化の措置
区分 新 現行 卒業に必要な単位数 80単位以上 85単位以上 年間授業週数 35週を標準 35週を下らない 1単位当たりの授業時数 35単位時間を標準 35単位時間を下らない 週当たりの授業時数 32単位時間を標準 34単位時間を標準 1単位時間 50分を標準 50分とする
三、勤労にかかわる体験的な学習等の充実
勤労にかかわる体験的学習を重視しできる限りすべての生徒にその機会を与えるようにすることとした。
四、専門教育を主とする学科の改善
職業教育の科目は、過度の専門分化を避けるため整理統合し、職業教育について実験・実習などの体験的な学習を重視しつつ、基礎的・基本的な内容に重点を置くこととした。
五、定時制・通信制の課程の改善
定時制、通信制教育において、生徒の職場における勤労体験の単位の換算、大学入学資格検定試験の合格科目、あるいは別科の履修科目の高等学校の卒業単位数への算入等改善を図った。
国語
国語科の場合は、言語の教育の立場をいっそう明確にし、表現力を高めることに重点を置いて改善が図られた。
一、科目編成の改善
改訂 (標準単位数)
国語I(4)
国語II(4)
国語表現(2)
現代文(3)
古典(4)現行 (標準単位数)
現代国語(7)
古典I甲(2)
古典I乙(5)
古典II(3)
二、各科目の内容の改善
国語I (必修科目)
中学校国語との関連をいっそう密接にし、高等学校国語の基礎をかためるため、現行の「現代国語」及び古典に関する科目の基本的内容を整理して内容を構成した科目。
国語II (準必修科目)
国語Iに引き続き履修させ、総合的な国語力をいっそう高めるものとした科目。
国語表現 (選択科目)
主に、文章を書く機会を多くし、文章研究を活用する科目。
現代文 (選択科目)
近代以降の優れた文章や作品を読解、鑑賞する科目。
古典 (選択科目)
古典としての古文と漢文を読解、鑑賞する科目。