教育福島0036号(1978年(S53)11月)-035page
計二時間の日程として年間三十三時間
託児のようす
三、学習内容(別表参照)
四、学習方法
学習のもち方はできるだけ講義の時間を短かくし生活課題を中心にした話し合い学習を取り入れ、二月を限度に継続学習をもりこむようにした。また身辺の課題についてはそのつど時間をもうけて解決している。(三十分限度)
〇親と子供の個性、家庭のふんい気はさまざまであるので、一律な結論へ導くことをさけて、お互いに他人の意見を幅広く聞き、自分も発言し、その中から各家庭なりのやり方をつかみとっていくようなふんい気をつくることに努める。
〇自分の子供をよその子供との集団の中で観察することは生きた学習の素材となるので、実際に子供を遊ばせながら、遊び方、交友の特徴などをとらえて問題を深めていく。時には母親の体験発表をサブテーマにして、自分だったらこうするだろう、こうしたいという意見を出し合ってよりよいものをみつけていく。
〇母親の学習としては、子供のおもりをしながらできる範囲の学習で足りるようにする。
〇育児に対する考えの違いを認識させることも必要であると思うので、年代の違う世代のものが集まり意見を交換し合うようにする。
〇子供を育てる上のいろいろのがん具、機材、絵本など知っていて益するものがあれば、実物をみながら有効に学習する。学習を通して子供を育てる責任は自分にあるのであり、個々の個性を持って生まれた子供が自立するまでいつ、なにを与え、なにをさせなければならないのかを自覚できるようにする。
〇学級の中で話し合った個人の秘密は他にもらさないことを守ることは学級のふんい気をもりあげるのに大事なかぎになると考えて運営する。
五、学級の現況
〇学級生三十名中、都市部九名、農山村部二十一名、最長距離六キロメートルである。
〇出席状況は四月開講以来現在(九月)まで平均して五十パーセント程度である。
〇学級生の九十パーセントは高卒程度で大部分は働く母親である。
六、今後の課題
〇連帯意識に乏しいうらみがあるので今後の仲間づくりの対策を考えていかなければならない。
〇テレビ学習の利用 家庭における個人学習の手段としてテレビ視聴をすすめる。NHKおかあさんの勉強室等。
〇出席率向上の方策を考えなければならない。
〇学習時間中幼児の託児についてのボランティアも考える。
〇学級生の自主的活動へ方向を変え、学習形態も時代にふさわしい方法を考えていく必要がある。
〇父親はもちろんだが家族全員が問題として深めた話し合いがもたれるようにしたい。
表 昭和53年度乳幼児・家庭教育学級学習計画
中村西部乳幼児学級
領域 月日 学習課題 学習内容 学習方法 時間 体に関する問題 4 (開講式)乳幼児学級のあり方 (学級の役割分担・学習計画の説明)家庭教育と乳幼児学級 講義話し合い 1,2 5 食事運動機能 小食や間食の問題.食事の基本的なしつけ運動機能の発達段階 講義話し合い 3 6 病気排せつ かかり易い病気と対策,医師へのかかり方,トイレのしつけ方 講義話し合い 3 心の発達に関する問題 7 しつけ 過保護について,身辺の処理,手伝い,男の子と女の子のしつけ 講義話し合い 3 8 (合同学習会) 「現代の世相と家庭教育」 3 9 友達性格 幼児の社会性の発達,幼児期の子供の性格のとらえ方,家庭環境と性格形成 講義話し合い 3 10 その他の課題 反抗・嫉妬・言葉の発達・知恵の発達 2 環境関る問題 11 明るい家庭,家族関係 家族の人間関係と幼児,兄弟関係の与える影響(一人っ子)父親のあり方 講義話し合い 3 12 あそび あそび場の問題,友達,3歳児のあそばせ方講義話し合い 講義話し合い 3 1 保育園幼稚園について 保育について,入園前にすること,保育園と幼稚園の役割のちがい 講義話し合い 3 2 事故防止 交通事故防止,安全教育 講義話し合い 3 3 今後の乳幼児学級のあり方(閉講式) 学級のまとめ本年度の学級の反省と来年度への希望 講義話し合い 2 備考 前もって計画は立てられないが学習内容に応じそのつどテレビ放送を利用する。