教育福島0037号(1978年(S53)12月)-025page

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福島県の教育に望む

 

一、学校教育について

 

司会

それでは、日程に従い、さっそく御意見を承りたいと存じます。まず学校教育全般について日ごろお考えになっている点からお願いいたします。

小 山

現在の大学生にはいろんな問題点が非常に多いということ。これは現場の先生がたからも一般のかたがたからもしばしば意見がでるように思う。例えばこの春福島のNHKが、アンケート調査をした高校の学区制の問題もその一つであり、その結果についてみると、学区制全体について今のままでよいとする意見は三〇・七%、改めた方がよいとする意見六八・七%とあった。

 

生がたも、学区制に関係があると思われる問題が多いと考えているように思う。

 

また、現在の高等学校の学区制についてよい点が多いと答えたもの三五・四%、悪い点が多いと答えたもの六三・九%とあったが、やはり現場の先生がたも、学区制に関係があると思われる問題が多いと考えているように思う。

福島県の場合は徐々に大学区制の方向に改正がなされて、現在は四つの大学区と四つの中学区、四つの小学区だというふうにきいており、現在の時点で今の学区制についてどのように考えているのか、あるいはその制度の面から生ずる欠かんではなしに、教育行政や教育活動の面で問題があって、好ましくない傾向が生じてきていると考えられるのか。やはり制度そのものに問題があると考えられるのか。現段階での教育委員会の考えをおききできればと思う。

高等学校教育課主幹

ただいま御指摘ありましたように、学区は昭和四十八年から現行学区になり、中学区四、大学区四である。

全国的な調査でいきますと、小学区のみ一府、中学区のみ三県、大学区のみ九県、その他は小大学区併置一県、本県学区のような中・大学区併置二十県、小中大の併置六県、小中併置七県であり(昭52文部省調査)、これは五十三年も動いていないと思う。ところで、各都道府県における高校入試制度の検討の結果をみると、昭和四十二年度においては本県と同じ中・大学区併置の形態をもつのが十三県。それが昭和五十二年には二十県と増加の傾向にある。このことは一人一人の生徒に対応できる学校選択の自由が、住民から強く期待されていることの結果でもあろう。 一方、大学区の際に往々にして指摘される交通費の負担増の問題や、非行の問題など学区制とそれがどうかかわるのか、この点については私どもも大きな問題として調査をしているところである。進学率の上昇とともに高校教育の多様化と非行を合せ考えると一律に学区制だけで非行が多発するという結論は極めて問題となる。教育を受ける側からみれば自分に合う学校の選択の自由ということは、重要な進路指導の一環であると考えている。従って当方としては、毎年制度とともに実施の方法や内容についても検討する会を作っており、県の後期中等教育審議会の中でも学区の問題、入試制度の問題も指摘いただき、また高校入試対策会議でも付託事項の検討も進めている。

なお根本的に学区制の問題となると更に大きな視野から見る必要があり、社会的背景、県民感情の行方等をふまえ、検討すべきであると考えている。

小山

今いろいろ指摘されるような欠かんは、制度そのものから責任があるとは考えないが、現実に非常に多くの欠かんが生じてきていることについて進路指導や教育活動面での措置を適切に行うことも含め、現状の改善のために、どのような方策をうつべきか、かなり問題が多いという現実は深刻に受けとめてみなければならないと思う。

田沢

私は長野県生れで福島に永住し、昔の教育を親から受け、自分は戦前の教育を受け、子供は福島の学校に入り、それぞれ違った教育を受けているので教育に大きな関心を持っている。

 

ている。昔のままであり、もっと実態にそった学区制の検討をすべきでないか。

 

私は現在の学校教育について三つほど申し上げたい。その一つは、学校の組織についてであるが、小学校は昔の行政区域で学区の線がひかれている。例えばへい一つへだてて区分けしている。昔のままであり、もっと実態にそった学区制の検討をすべきでないか。

また、一年から六年までの縦の制度にも問題がある。一年と六年では発達段階にも差があるのにいっしょに生活させている。 一〜三年、四〜六年と区分してはどうか。

次に教師のあり方についてであるが、戦後の教育改革やベビーブームのあおりで、小学校の先生が中学校の教育をする。この辺にも教育に無理がでており、また大学をでても教師になれない。先生になっても指導が弱い。教師の再教育にも力を入れるとともに待遇もあげる必要があるのではないか。

最後に家庭と学校との関係について

 

 

 


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