教育福島0037号(1978年(S53)12月)-042page

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福島県教育センターから

 

音楽教育のあり方を求めて

 

一、はじめに

 

教育センターが、昭和四十六年度に発足すると同時に、音楽講座も開講されて八年目を迎えることができた。

その間、社会の変動や要望によって講座の内容や方法も多少変わってきているが、研修の中核として貫かれてきたことは、望ましい人間形成を指向するものとしての音楽教育の役割、音楽に携わる教師の姿勢・指導のあり方や方法などを、講義や実習をとおして研修してきたことである。

今年度は更に、小・中学校の新学習指導要領の移行をふまえ、これからの音楽教育のあり方・指導の方法など新しい教科の目標に対応できる内容で計画し、実施している。

今年度実施されている小・中・高等学校の講座の主な内容とねらいについて紹介したい。

 

二、小学校音楽講座

 

この講座は、研修者の対象を(一)音楽科主任 (二)低学年担任 (三)一般教員の三講座で編成されている。それぞれの講座は、研修者の学校での所属・担当に適応した講座内容を組み、あすからの授業にすぐ役立つように配慮している。

また、各講座とも第一日目に「教育相談」あるいは「特別活動」の内容を取り入れて、教科外でも小学校教員としての識見と指導力を高めることをねらいとしている。

 

〇教科主任対象(第一班)

午前 午後

第2日 実習,編曲法〜効果的な楽器編成と編曲〜 午前と同じ

第3日 講義・実習,教育機器の活用〜録音再生装置・スライド・VTR〜 実習,教育機器の活用〜OHPの活用とTPの製作〜

第4日 講義,小学校における音楽科の教科経営について

〇低学年担任対象(第二班)

第2日 実習,やさしい伴奏法 午前と同じ

第3日 講義・実習,導入期におけるたて笛の奏法と指導 実習,低学年における音楽指導のあり方

第4日 実習 音楽表現法〜歌唱を中心として〜

〇一般教員対象(第三班)

第2日 実習(希望別研修),授業における楽器の奏法と指導〜リード楽器・打楽器・たて笛〜 午前と同じ

第3日 実習,発声と歌唱法 実習,音楽学習と身体表現

第4日 協議,指導上の諸問題

 

(一)教科主任対象講座

教科主任として必要な学校教育における音楽科の役割や位置づけ、教科経営のあり方を内容として組み入れている。更に授業やクラブ活動などの音楽活動を児童の実態に即して効果的に指導する編曲法。また、音楽のもつ美しさ楽しさ喜びなどの感動的な音楽体験にせまるための教育機器の活用を、豊富な資料の紹介とグループ活動による「TPの製作」の実習をとおして研修している。

(二)低学年担任対象講座

児童の音楽的感覚のもっとも発達する低学年の時期を重視し、児童の発達に即応した音楽指導はどうあればよいか、そのために身につけてほしい教師の音楽技能や指導の手だてなどの内容が組まれている。

「やさしい伴奏法」は、平易な旋律に即興的に伴奏がつけられる基本的技法を実習しているが、短時間で修得する難しさも感じられた。

二年生から取り入れるたて笛の指導は、導入期の指導がたいせつである。安易な取り扱いを改善し、正しい奏法と豊かな音楽表現ができる指導法を目指している。

「低学年における音楽指導のあり方」では、児童が楽しく能動的に活動できる「遊び」や「身体表現」を取り入れ、体をとおして音楽の基礎的な諸能力を育てる指導法が紹介され、研修者から好評であった。

 

小学校音楽講座を受講して

富岡第一小学校 中野明衣

「やさしい伴奏法」や「導入期のたて笛の奏法と指導」など、ふだんなかなか勉強する機会がなく、どうしたらよいか悩んでいたときでしたので、とても勉強になりました。ま

 

 

 


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