教育福島0038号(1979年(S54)01月)-030page
やさしい教育法令解説
学年・学期及び休業日
一、はじめに
私たちは日常の会話の中で、「あの人は○学年を終了した」とか、「今は、○学期である」とかと、学年や学期という言葉を気軽に使用しています。
しかし、一般的にこの言葉を使用する際には、これらの言葉がもつ法的な側面を考えながら使っているとは限りません。そこで今回は、これらの言葉が法的にはどのような意味合いをもつものかを考えてみたいと思います。
二、学年・学期
学校教育の全課程を終了するために必要な年限を修業年限といいますが、学校教育法は小・中・高の修業年限を次のように定めています。
小学校六年(十九条)、中学校三年(三十七条)、高等学校の全日制課程は三年、定時制及び通信制の課程は四年以上(四十六条)。
このように定められた修業年限は、更に、学校教育の全課程を修業年数に応じ区分編成するための一年の期間にわけられることになります。これが学年です。
学年は四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わります。(学校教育法施行規則四十四条)ただし、修業年限が四年をこえる定時制の課程を置く場合は、その最終の学年は四月一日に始まり、九月三十日に終わるものとすることができます。
なお、各学年の課程の修了の認定は、学年の中途で行うことはできず、必ず学年の終わりに認定すべきであり、各学年の課程を修了しないで上級の学年への進級は認められないことになっています。
次に、学年はいくつかに区切った期間に分けられ、学期とよばれるものとなります。
この学期については、公立の学校では都道府県の教育委員会が、私立の学校については都道府県の知事が定めることになっています。(学校教育法施行令二十九条)本県では、市町村立学校については学校教育法施行細則(十六条)で、県立高等学校については福島県立高等学校学則(七条)で、盲・聾・養護学校については福島県立盲・聾・養護学校学則(五条)で次のように定められています。
第一学期 四月一日から七月三十一日まで
第二学期 八月一日から十二月三十一日まで
第三学期 一月一日から三月三十一日まで
三、休業日
休業日とは、学校において授業を行わない日(学校教育法施行規則四条)であり、公立学校の休業日は次の通り定められています。(学校教育法施行規則四十条)
(1)国民の祝日に関する法律に規定する日
(2)日曜日
(3)夏季休業日、冬季休業日、学年末休業日等(学校教育法施行令三十条の規定により教育委員会が定める日)
(4)非常変災その他急迫の事情があるときの臨時の休業日(学校教育法施行規則四十八条)
となります。
ところで、学校には恒例の学校行事がいくつかあり、運動会や学習発表会などを休業日とされている祝日や日曜日に実施し、その代りに授業日である月曜日や土曜日を休業日とすることがよくあります。
このように、休業日を授業日とし、その代りに他の授業日を休業日とすることを授業日の振替といい、このようにして行われる授業を振替授業といいます。
なお、休業日には、あくまでも授業を行わない日であり、休業日であっても例えば夏季休業日のように当日が勤務時間の割りふられている日である限り、職員の「勤務を要しない日」とはならないことに注意する必要があります。