教育福島0038号(1979年(S54)01月)-031page

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福島文化財

 

県指定重要文化財

木造阿彌陀如来坐像

所在地 南会津郡伊南村大字古町字東居平

 

木造阿彌陀如来坐像

 

世の修補があり、漆箔の上に粗悪な黒色の塗が施されていて黒仏ともいわれる。

 

本尊は定印(じょういん)を結んだ阿弥陀如来坐像で、総高百四センチメートル、桧材寄木造漆箔(しっぱく)玉眼入りの仏像である。部分的に後世の修補があり、漆箔の上に粗悪な黒色の塗が施されていて黒仏ともいわれる。

豊かな頬(ほほ)、頚(くび)の三道(さんどう)、肩から腹部にかけてのやわらかな納衣(のうえ)、膝部の左足あたりから左に流れる彫りの浅い衣文の美しさは藤原期の特徴をもっている。

しかしややつり上がった眼の切れなどからみて時代はやや下がり鎌倉時代初期の造顕とみられる。

寺伝には宝永元年京都より海路下ったことが記され、黒仏の伝説があるので、本県において製作されたものではない。しかし若松の仏師がわざわざお参りに来たなどの口伝があって、江戸時代の会津仏師に多大の影響を与えたものと思われる。

(拝観希望者は伊南村教育委員会に連絡して下さい)

(所有者 善導寺)

 

 

 


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