教育福島0039号(1979年(S54)02月)-008page
(一) 作文を主とする指導計画を検討する。
その際、時数だけを考えず、いつ、何をのほか、どのように書かせるかという技能面の指導内容を検討し、取り上げる内容についても偏りがないようにする。
(二) 作文活動と児童の思考力との関連に留意し、日常生活や学習全体の中で、表現すべきことがらを豊かに持つよう指導をくふうする。
(三) 実際に書く活動をじゅうぶんに取り入れ、書くことを通して表現力をつけるよう配慮する。
(四) 一人一人の文章表現力の向上を図るよう、実態に応じて指導する。
さらに、評価や作品の処理方法をくふうし、書く意欲や喜びをもたせる。
三、書くこととの関連も考慮して、読むことの指導の充実を図る。
(一) 教材を文章内容及び言語要素、言語機能の面から分析し、指導事項を重点化して、文章内容を正しく理解させるとともに、読解・鑑賞の能力を身につけるよう指導する。
(二) 読むことの本質をは握し、読む活動をたいせつにするとともに、読む目的を明らかにして意欲的に読むよう指導する。
(三) 読むことの活動の中に表現活動を取り入れ、表現を通して理解がいっそう深まるようにしたり、読むことの学習で得た能力が、作文活動に役だつよう配慮しながら指導し、読むことと書くことの関連をいっそう深める。
四、学校図書館との関連を図り、自主的な読書態度を育て、読書力の向上を図る。
(一) 学校図書館の活用を促す指導をくふうし、読書に対する興味と意欲を高め、進んで読書に親しむ態度を育てる。
(二) 他の教科等における読書についての指導を重視し、学校図書館との密接な関連を図り、発展的に読書できるようにする。
中学校
本年度は、新学習指導要領への移行措置第二年次であり、これに伴い新学習指導要領の趣旨についての理解をさらに深めるようにする。
移行期間の指導計画の作成及び改善に当たっては、現行学習指導要領による指導計画の内容を新学習指導要領の趣旨に沿って検討する。
その際「言語の教育としての立場をいっそう明確にする」の基本方針に基づき、言語活動の重点化を図り、文章表現力をはじめ、言語表現力と読書力を養うことに重点をおくようにする。
一、国語科における基礎的な能力の育成にいっそう努力する。
(一) 漢字や語句、表記や文法事項等の指導を重視し、単元・題材・単位時間の指導の中に位置づけ、系統的な指導と個々の実態に応じた指導をくふうする。
(二) 聞くこと・話すことの指導に当たっては、読むこと・書くことの指導との関連を図りながら、特に「正確に聞きとること」と「的確に話すこと」に重点をおき、指導計画や教材を検討し、ねらいを明確にして指導する。
二、作文・書写の指導を計画的に行い、文章表現力の向上を図る。
(一) 作文を主とする指導の時間は、十分の二〜三程度を充てるよう指導計画を検討する。
その際、学年の発達に即し、作文指導の目標、指導事項をおさえ、学年の系統をふまえた計画にする。
(二) 実際に文章を書く機会を多くし、書くことを通して表現力の向上を図る。
この際、読むことやことばのきまりの指導などとの関連を重視する。
(三) 記述前、記述中、記述後の作文活動過程の各段階で、何を、どのように指導していくかを明確にして指導する。
(四) 書写の指導に当たっては、国語科書写の性格をとらえ、指導時数をおさえて指導計画を検討する。
(五) 文字指導や作文指導などとの関連を考慮して、書写学習の成果が、生徒の日常生活の中でも生かされるよう指導内容や方法を検討する。
三、文章を正確に読む能力を高めるとともに、豊かな読書力を身につけさせるよう努める。
(一) 生徒の実態に即し、読解技能の系統をふまえ、文章を理解し、鑑賞する能力と態度が、確実に身につくよう指導内容・方法を検討する。
(二) 語句、文、文章構成、文体、要旨主題などについての読むことの指導が、文章表現力の向上にもつながるよう指導内容、方法について検討する。
(三) 文章の叙述に即して内容を読み取る能力を高めるとともに、その能力が読書力ヘ発展するよう配慮する。
(四) 学校図書館の利用を促す指導をくふうし、進んで読書しようとする意欲を喚起し、読書の楽しさを得させるよう配慮する。
四、教材内容の研究を深めるとともに、効果的な指導法について研究する。