教育福島0039号(1979年(S54)02月)-009page
(一) 指導のねらいを明確にし、指導事項をおさえ、ゆとりある指導過程を組織し、生徒の自主的学習態度を育成するようにくふうする。
(二) 指導事項を中心にすえて、教科書教材をじゅうぶんに検討し、生徒の実態に即した適切な活動を選んで授業を展開するようにする。
(三) 授業では、生徒の興味や問題意識を大事にし、集団の課題意識にまで高めるくふうをする。
さらに、個人思考と集団思考によって、個々の思考を深め、練りあげていく学習方法を身につけさせ、学習の楽しさ、喜び、期待感が得られるようにし、人間形成につながる思考力や心情を育てるよう努める。
高等学校
高等学校においては、生活に必要な国語の総合的な能力を身につけさせるため、実際の学習指導の展開について各学校でのいっそうの創意、くふうが必要である。その場合、言語の教育としての立場をたいせつにし、特に、表現力を高めることを重視する。
一、国語科における基礎的な能力を身につけさせるよう努力する。
(一) 漢字の読み書き指導の徹底を図るため、適切な教材、方法を豊かに準備し、規則性と継続性を持つ学習を援助する。
(二) ことばの力を養う指導の徹底を図るため、読みとりの過程で、ことばの持つ世界を正しく読みとらせるとともに、必要に応じ、ことばを正確に選んで用い、かつ、美しくふくらみを感じさせる表現の指導を重視する。
(三) 日常の学習に、辞書をじゅうぶん活用させ、ことばをたいせつにする習慣、態度の養成に努力する。
二、文章の正しい解釈、豊かな鑑賞の能力を身につけさせるよう努力する。
(一) 生徒の読みにおける個性的なものをたいせつにしながら、ことばの持つ世界を正しく読みとらせることによって、より正しい読み、より深い読み、より価値の高い読みにする指導をくふうする。
(二) 文学的教材の指導に当たっては、文学的体験(追体験)を通して、生徒自らに、その世界を感じとらせることをたいせつにするものの、その場合、文脈、文章の正しい理解に基づいたものにする。
(三) 論理的的教材の指導に当たっては、文脈、文章の正しい理解のうえにたって、その表現内容を正しく読みとらせる。なお、文章の論理展開の指導の場合、筆者の認識・思考の展開の吟味と関連させて指導する。
(四) 古典の指導に当たっては、基本的語句、文脈、文法等の理解の徹底を図るとともに、古典の世界を実感的に享受させるよう指導のあり方をくふうする。
(五) 将来に役立つ読書習慣を形成するため、価値の高い書物に親しむ読書指導を重視する。
三、正しい文章、豊かな文章を表現する能力を身につけさせるよう努力する。
(一) 教材、方法を豊かに準備し、表現技術の向上を図るとともに、実際に作文を書く機会を多くする。なお、その評価、処理については、形式的にとどめないよう、いっそうくふうする。
(二) 書くために読ませ、読むために書かせるなど、書く学習と読む学習の有機的な関連を図って指導する。
四、教材内容の研究を深めるとともに、効果的な指導法について研究する。
(一) 常に、教材の的確な、深い読みとりに努めるとともに、教える内容と学習させる内容を明らかにし、実際の授業で、どのように取り扱うかという面での研究に努める。
(二) 常に、固定的な指導過程にとどめないよう、生徒の実態、教材の質に応じた適切なものを準備する。
(三) 教材の質によって、理知的にとらえる学習と感覚を通してとらえる学習、あるいは、精細に読みとる学習と概括的にとらえる学習を適切に組織する。
(四) 総合的な国語能力の育成を図るため、読む、書く、話す、聞くの活動を関連させた指導のあり方をくふうする。
(五) 現代国語、古典における学習内容方法の関連を図り、二元指導の弊をとり除くよう配慮する。
(六) 言葉の教育としての国語科の特性からみて、教師の話し、書く活動をより正しく、より豊かなものにするよう努力する。
社会
小学校
社会科は、社会生活を正しく理解させ、社会の一員としての公民的資質の