教育福島0039号(1979年(S54)02月)-022page
一、実践的活動が中核となって学習指導が展開されるように指導計画を改善する。
(一) 各領域・題材の選択に当たっては中学校指導書、技術・家庭科(文部省)に示されている観点を基に移行措置に関する告示の内容を地域や学校の実態及び生徒の必要並びに男女相互の理解と協力を図ることを考慮して検討すること。
(二) 各領域は、実習を中心として、内容の示す事項が有機的関連をもち、総合的に展開するように学習活動を計画する。
(三) 技術系列・家庭系列十七領域の中から男女いずれにも最低七以上の領域が調和的に指導されるように選択し、時数の配当、各領域及が他教科との関連を考慮し、生徒の自主性や、くふう創造の能力を伸ばすよう努める。
二、実践的・体験的な学習活動を中心として、理解・思考・実践の三つの活動を相互関連させ、教材を構造的にとらえた指導法をくふうする。
(一) 教科の精選に当たっては、基本的内容、周辺的内容、参考的内容というような体系に組み立て、基本的内容を重点として教材の構造化を進める。
(二)単位時間の目標を的確に押さえ、指導の範囲と程度を明らかにするとともに、既習の知識・技能の累積を重視し、思考活動を通し、理解・実践の有機的関連を図るよう努める。
(三) 指導の目標・内容等に応じて情報提示の活動を効率化し、生徒の学習活動にゆとりができるように、授業形態の改善と指導の効果を高めるように努める。
(四) 学習の評価を適切に行い、指導計画や指導法の改善に役だてるようにくふうする。
(五) 「生活に必要な技術」は、現行の考え方と同じであるが、人間尊重の立場から「技術」をとらえ、わが国における資源や環境の重要性に着眼し、家庭生活や社会生活の充実向上を図ろうとする態度を育成するよう配慮する。
(六) 資料、教育機器等の特性を生かし効果的に活用するよう努める。
三、施設・設備の改善・充実を図り、安全教育に徹し、事故防止に努める。
(一)施設・設備の改善・充実に努める。
(二) 用具・機械類は常に最良の状態に整備し、実習に際して有効に活用できるよう、その整理、格納、手入れなどに特別の配慮をするとともに、使用手続きなど、管理に必要な事項を指導し安全管理に努める。
(三) 昭和四十三年二月十二日に発せられた初等中等教育局長通知(文初職第一二六号)「中学校技術・家庭科における工作機械等の使用による事故防止について」を遵守し、万全の注意を払うこと。
高等学校
高等学校の家庭科は、女子の一般教養としての家庭科教育と職業教育としての家庭科教育との二面がある。このことが他の教科と異なるところである。また、小・中学校の家庭科学習の基礎の上に、衣食住、保育等に関する知識と技術を実践的・体験的な学習活動を通して習得させる教科である。このような教科の性格をふまえ、次の諸点に留意して指導する必要がある。
一、新学習指導要領に対する研究を深め、その趣旨を生かして指導できるようにする。
(一) 現行学習指導要領と新学習指導要領を比較研究し、改訂の趣旨、教科の性格、各科目の目標及び内容について研究し、整理統合された点、新しく加えられた点をは握する。
(二) 新学習指導要領の趣旨を生かして指導できるよう各教科の内容についてじゅうぶん研究し、指導計画を改善する。
(三) 能力・適性の多様な生徒に対応した指導をするため、指導内容の構造化、指導過程の組み方・発問、資料の提示のしかた等について研究し授業の充実を図る。
二、実践的、体験的学習の中核となる実験・実習の指導をいっそう効果的に進めるようにする。
(一)新学習指導要領では、家庭科の総授業時数の十分の五以上を実験・実習に当てることとなったので、各科目の目標・内容を検討し、適切な実験・実習を位置づけるようにする。
(二) 実験実習の内容に応じて、いっせい学習、グループ学習、分割学習など適切な学習形態を取り入れ、知識・技術が確実に身につくようにする。また、個別指導を重視するとともに、技術検定も進んで受けさせるようにする。
(三) 実験、実習の指導を安全かつ効果的に進めるため、新しい産振基準について研究し、自校の教育課程に基づいて年次計画を立て、施設・設備の整備に努める。
三、ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動を重視し、効果的な指導についてくふうする。
(一) 「家庭一般」においては、ホームプロジェクトの題材の選び方及び実践の方法を徹底するように指導する。
(二) 「家庭一般」以外の科目においても、ホームプロジェクトを実施する