教育福島0039号(1979年(S54)02月)-028page

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特別活動

各教科以外の教育活動

 

小・中学校

 

特別活動は、各教科や道徳に比べて、学校の創意くふうの余地の広い教育活動である。

各学校においては、特別活動のもつ教育的意義や価値を正しく認識し、自校の教育目標との関連を図りながら、実態に即して、特色のある活動がなされるようくふうする必要がある。

特に、児童生徒の自主的、実践的な集団活動を助長するよう指導計画及び指導法の改善が望まれる。

そのため、次の点について努力する。

なお、移行期間中の特別活動の指導に当たっては、特例により、現行学習指導要領の規定にかかわらず、その全部又は一部について、新学習指導要領によることができることになっているので、この点について、じゅうぶん留意する。

 

一、集団活動をより充実させるため、実態に即した創意のある指導計画に改善する。

(一) 新学習指導要領「特別活動」の理解を深め、計画作成のための基本的態度を明確にする。

そして、地域、学校、児童生徒の実態に即し、その学校の特色がにじみ出た計画となるようくふうする。

(二) 各内容ごとの指導計画の作成に当たっては、実践活動を基本とし、活動のねらいや方法を、実態に即して具体的におさえるよう努める。

(三) 各内容の特質の理解をさらに深めるとともに、内容相互の関連を図り、それぞれの計画の充実に努める。

(四) 施設設備の充実を図るとともに、現有施設設備を総点検し、それらの積極的な活用がなされるよう、計画の段階でくふうする。

 

二、児童生徒による自主的、実践的な活動がより充実するよう、指導法の改善に努める。

(一) 児童生徒と教師、児童生徒相互の人間的な触れ合いを深め、望ましい集団形成に努める。

(二) 児童生徒が自主的、実践的活動に、自信をもって意欲的に取り組めるよう、「励ます」「育てる」指導に努める。

 

三、各内容ごとの重点

◇ 児童・生徒活動

(一) 学級会活動においては、話し合い活動にかたよることなく、学級内の具体的な諸問題に取り組ませ、実践を通して解決を図るよう援助する。

係活動については、児童生徒に必要感のある係を設定し、各自が分担した役割を果たすことによる喜びが体験できるような活動となるようくふうする。

(二) 児童会・生徒会活動においては、学校生活上の諸問題について、児童生徒みずからが気づき、考え、解決のために、自発的、自治的に実践できるよう援助する。

自治的活動については、児童生徒にまかせることが可能なものを明確にし、条件の整備に努める。

(三) クラブ活動については、教育的価値についてじゅうぶん考慮するとともに、互いに協力し、友情を深める活動にし、個々の児童生徒の趣味や特技を育てるよう努める。

なお、事故の防止には、特に留意する。

◇ 学校行事

(一) 各行事の事前及び事後の指導や運営の方法等を改善し、児童生徒に意欲的な参加をさせ、学校生活がより豊かな充実したものになるようくふうする。

また、健康や安全には、特に配慮する。

(二) 児童会・生徒会活動などとの関連を図りながら、自主的な協力の気風を養うようくふうする。

◇ 学級指導

(一) 児童生徒の心身の健康、安全や、健全な生活態度を育成するために、生徒指導との関連を図りながら、具体的な資料や事例を通して、組織的、発展的な指導を行うよう努める。

(二) 学級経営との関連をじゅうぶんに図るとともに、個々の児童生徒に対する指導の徹底がなされるよう努める。

 

高等学校

 

望ましい集団活動を通して、豊かな充実した学校生活を経験させ、自律的・自主的な生活態度を養うとともに、民主的な社会及び国家の形成者としての必要な資質の基礎を育てる。

 

一、指導計画に検討を加え、その改善を図る。

(一) 学校の全体計画に基づいて、その目標をじゅうぶんに生かした学年、ホームルーム等の指導計画の立案に努める。

(二) 生徒の興味・関心及び地域社会の実態等に即して、指導内容の精選・充実を図る。

(三) 指導計画の作成に当たっては、生徒の自主的・実践的活動を尊重し、これを伸長するよう配慮する。

 

 

 


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