教育福島0039号(1979年(S54)02月)-030page

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ことが多いから綿密な計画に基づいて、事態に対応できるようじゅうぶん配慮するとともに、機能的な指導体制の確立に努める。

 

工業

 

工業教育をより魅力あるものとするため、その内容・方法についてじゅうぶんな検討を加え、多様な生徒一人一人に対応した学習が成立するようくふう改善に努めるとともに、工業に関する広い視野を養うための知識と技術を身につけさせるようにする。これらの課題にこたえるため、次の諸点に努力することが望ましい。

 

一、各学科の教育内容を検討し改善充実に努める。

(一) 工業の教育内容は、専門教育としての水準を維持しながら、多様な生徒の発達段階に対応できるようなくふう・改善を図るとともに、将来においても発展的に学習を継続できるよう基礎的・基本的事項に重点をおく。

(二) 指導に当たっては、実験実習などの体験的学習をいっそう重視し、体験的に学習しがたい内容等は視聴覚機器の利用や見学など、いわゆる座学と実験実習との関連を図るなど、即物的な指導を配慮するように努める。

(三) 各学科では、共通に履修させる基礎科目について実践的研究を進める。

(四) 教育課程の編成に当たっては普通教科と専門教科との調和を図り、学校の特色が具体的に生かされるように努める。

 

二、実験・実習の充実を図る。

(一) 各学科の目標・性格に照らして、実験実習の内容の精選と重点化を図り、指導方法とともに、評価のあり方について研究を進める。

(二) 学習効果を高めるための座学と実験実習の融合化を図る授業を進める。

(三) 実験実習の内容に応じて、いっせい学習、班別学習、個別学習など適切な学習形態について研究する。

(四) 施設・設備の点検整備と活用を図るとともに、安全教育の徹底に努め公害に関する教育にも配慮する。

 

三、指導力の向上を図る。

(一) 科学技術の著しい進歩発展と時代の要請に対応した新しい内容について、教材化のくふう研究を進め、常に教育内容の現代化とともに指導技術の向上に努める。

(二) 多様化した生徒の実態に即応する指導方法の研修に主体的に取り組み校内における組織的・計画的な研究会を継続的に推進する。

(三) 自主的研究団体の研究会にも進んで参加し、産業界や各種研修機関を利用しての研修機会も効果的に活用するよう努める。

 

商業

 

我が国の経済が大きな転換期を迎え産業構造の高度化が進行する中で、流通・事務・経営管理等のビジネスの各分野で広く活動する有能な人材の育成を目指す商業教育は、時代の要請に応えるため、教育内容や指導方法等にいっそうの改善くふうが必要である。

 

一、基礎的・基本的な教育内容の充実につとめる。

(一) 多様な生徒の入学初期における基礎科目の導入を入念に行い、専門教科に対する学習への動機づけに万全を期するため、指導法の改善、くふうを図る。

(二) 商業教育の基礎的・基本的な内容を取扱う商業一般、簿記会計I、計算実務、電子計算機一般などの学習指導に当たっては、これらの基礎学力が、その後の発展的な学習へのじゅうぶんな転移力となり得るよう、指導計画と展開方法を吟味し、改善に努める。

 

二、指導内容の精選と重点化を進め、特色のある商業教育が行われるように努める。

(一) 生徒の実態を的確には握し、その必要に応じて指導内容の精選と重点化を進め、学習負担の適正化を図り、商業の専門教育を通じて個性を伸長し、それぞれが特技を身につけられるよう可能な限りの教育の個別化に努める。

(二) 各学科や類型においては、過度の専門分化を避けながら、それぞれの目標達成に必要な基本的、中核的教科・科目を重点的に学習させるように配慮するとともに、地域や学校の特殊性に根ざした特色のある商業教育が行われるよう、教育内容にいっそうの創意とくふうを加える。

 

三、実践的・体験的学習を通して、商業教育の基礎的・基本的内容の定着を図るとともに、望ましい勤労観・職業観の育成に努める。

(一)経理科目における記帳練習をはじめ、事務科目での計算処理や文書作成情報処理におけるプログラミング等、練習や実習を通して仕事の厳しさや完成の喜びなどを直接体験させ、学習への充実感を味わわせながら知識・理解を確実に習得させる。

(二) 商業経済・商事科目等の学習を基礎に、中・高学年生に、地域の商業経済の調査研究や課題学習に取り組ませたり、総合的な実践科目において一連の業務遂行を学習させることによって、職務に対する責任感、同僚との連帯の重要性を会得させ、間

 

 

 


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