教育福島0043号(1979年(S54)08月)-014page

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昭和54年3月

 

高校卒業者の進路状況

高等学校教育課

 

一、 概況

 

昭和五十三年度の高等学校の進路指導は、画期的といえる二つの難関が課せられ、当事者の労苦は大きかった。

その第一は、国、公立大学の入試制度の改革に判う共通第一次学力試験が導入され、初体験したこと。第二には、学校の求人受付開始期日が従来の六月二十日から七月十五日以降に繰り下げられたことである。

全日制卒業者総数二万四千二百六十二人は、前年度より四百六十一人の増加となっている。その進路概況をみると、

○ 大学進学については、進学実数、進学率ともに前年度よりさらに低下し、昭和四十九年度をピークにして、以後低下の一途をたどっている。

○ 就職者数は、前年度より三百八十四人増加し、就職率も過去三年来着実に上昇傾向を示している。

○ 就職者の県内留保率は、昭和五十年度に上昇に転じ、五十一年度に五十パーセントラインを超えた後、加速度的な伸びをみせ、今や六十パーセント台に迫る高水準を示すに至った。

○ 各種学校等への入学は、前年度よりさらに上昇した。年度により多少の振幅があるもののこの分野への志向性は長期的には確実に強まっている。

 

二、 進学状況について

 

(一) 大学進学(表1.2参照)

( )は昨年度

全日制の課程卒業を二万四千二百六十二人(二万三千八百一人)の二十三・五パーセント(二十五・二パーセント)に当たる五千六百九十人(五十九百九十五人)が短期大学を含めて大学に進学した。

男女別にみた卒業者総数に対する大学進学者の割合、すなわち進学率は、男子二十一・七パーセント(二十四・一パーセント)、女子二十五・四パーセント(二十六・四パーセント)で両者とも昨年に比べて、それぞれ二・四パーセント、 一・○パーセントの減となった。

また、男子と女子の進学率の差は三・七パーセント(二・三パーセント)で女子が男子をおさえる傾向がさらに強まった。

大学進学者を学科別に見ると、理数科及び普通科における進学率が高いのは例年どおりであるが、この二学科のみならず全学科も昨年を下回った。

 

(二) 各種学校進学

一昨年鈍化の徴候を示した各種学校への進学率が、昨年度また上昇し今年度十三・三パーセントと大幅のアップである。

 

(三) 次年度進学希望者

来年度再び受験しようとする生徒いわゆる浪人は、三千四百二十六人(二千三百四十六人)で卒業者総数の約十パーセント(九・九パーセント)に当たり、うち男子が八十二・二パーセント(七十九・七パーセント)である。女子はやや減少したが男子は増加した。

 

(四) 地域別大学進学率(表2参照)

県中が昨年度と同じく二十五・四パーセントで一番高いが、他の地区は全部昨年度より低くなった。

 

(五) 大学別合格者数(表3参照)

表3は、本県の高校卒業者が主に進学する大学の大学別合格者を延べ数で示したものである。例年現役で百名以上いる東北大の合格者が今年度は九十六名にとどまった。山形、福島(教)、福島(経)、東北学院駒沢、東海、日本、法政、日本(郡山工)に現役で百名以上合格し、駒沢、中央、法政、明治、早稲田で過年度卒業者の合格者が百名をこえている。

 

(六) 今回初めて実施された共通第一次学力検査について

本県試験場は福大・福医大・福高・福女高・福島北高に設けられ、志願者四千六百三十一名、欠席者二百五十六名で結局四千三百七十五名が受験した。

一月十二日は受験生の四十一・九パーセント、十三日は四十七・六パーセントが福島市内あるいは飯坂の旅館に宿泊した。

 

 

 


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