教育福島0043号(1979年(S54)08月)-013page
図1 進路指導系統図
図2 授業展開の課程
図3 進路相談組織図
察指導の観点を教科指導、生徒指導、保健指導、特別活動、道徳指導、その他、余暇の指導などの領域に求め、情報・資料の収集・整理・活用と進路相談との有機的な連携のもとに実施している。
資料収集の内容としては
・診断テスト−知能テスト、職業適性検査
・学力検査−進路動向調査、家庭環境調査、不安・悩みの調査等をとりあげている。しかし、教師は、生徒理解をじゅうぶんでないと考えながらも、忙しさのため、教師・生徒の個別に接する機会に容易にめぐまれないのが現状である。
四、 進路指導の問題点と配慮
1) 教師間の共通理解をはかることがむずかしい。進路指導の基本理念を「たてまえ」として理解できても、現実的には受け入れがたい傾向にある。
2) 進路指導は、究極的には、個人指導である。しかし、とかく、学級指導では、集団指導になりがちである。集団指導の中での個人指導をくふうし、進路相談と結びつく方向性をもった指導法を考えなければならない。
3) 情報・資料が少なく、不完全で、授業の深まりにもかかわりあいがあるので、組織的な収集活動が必要であり、ふだんから、生きてはたらく情報・資料の収集に努める。
4) 情報・資料の収集、活用の場が少なく、平面的、観念的な指導におち入りやすい傾向がある。
5) 進路相談について、学級担任は動いているが、各学年の「タテ」「ヨコ」の連携、係との連携など、組織的に動いていない傾向があり、指導技術、資料の活用などについての定期的、あるいは、その都度、情報交換の必要性がある。
6) 保護者の進路指導に対する正しい理解と子供の将来への展望についての話し合いを深めるための内容・資料等をとり入れた指導計画のくふうに努める。
その他、種々、問題点はあるが、教師は、常に、前向きの姿勢をくずすことなく、生徒理解に努め、確かな自覚と認識をもって、指導法のくふう、改善に努め、よりいっそう充実した進路指導を展開していかなければならないと考える。