教育福島0043号(1979年(S54)08月)-016page
三、 就職状況について
(一) 全般的な状況(表4・図1参照)
全日制課程の卒業者のうち、就職者の合計は一万三千十六人で卒業者全体の五十三・六パーセントに当たり、前年比で三百八十四人、○・五パーセントの増加となった。
昭和五十年度に史上最低を記録(五十・四パーセント)した就職率は、五十一年度に上昇に転じて以来着実な伸びを示している。特に普通科においては、進学率の低下と対照的に就職率が逐年上昇していることが注目される。
男子についてみると、学科により多少の上下変動があるものの、総じて横ばえ状態である。
女子は、農業科を除くすべての学科において上昇し、特に商業科および家庭科の伸びが著しい。
職業学科全体の就職率は八十一・七パーセントで前年度(八十・四パーセント)より一・三パーセント向上し、工業科女子の八十九・三パーセントを頂点として、農業・工業・家庭の各学科の男女および商業科の女子において八十パーセント以上の高い就職率を記録した。
就職者の実数では、普通科の五千六百六十人が最も多く、就職者全体の四十三・五パーセントを占め、前年度(四十・三パーセント)より三・二パーセント増加した。
定時制卒業者の場合は就業在学者が大部分ではあるが、卒業生実数の少ないことによる年度による振幅が大きく、前年度の実績(九十一パーセント)を約五パーセント下回る八十五・一パーセントの就職率に止まった。
(二) 産業別就業状況(表5参照)
製造業四千百九十人(三十二・二パーセント)、卸・小売業三千五百七人(二十六・九パーセント)、サービス業千九百六十七人(十五・一パーセント)が例年に引き続き上位を占め、全体の実に七十四・二パーセントに達し、前年度(七十二・九パーセント)よりさらに一・三パーセント上昇した。
ちなみに、就業構造によってこれをみると、農林・水産業などの一次産業への就業者が三・五パーセント、製造業などの二次産業が三十六パーセント、流通・サービス業などの三次産業が五十九パーセントとなっており、一次・二次産業の下降傾向に伴い三次産業への就業者が前年比で一・五パーセント増えて、年々この分野の拡大が続いている。このことは、我が国の産業構造の高度化が進行しつつあることの一端をうかがい知ることができる。
(三) 職業別就業状況(表6参照)
技能・作業職系四千二百人十一人、(三十二・八パーセント)、事務系三千四百五十九人(二十六・六パーセント)、販売系二千二百七十四人(十七・五パーセント)で順位は例年と変わりなく、この上位三者で全体の七十六・九パーセントを占めている。また、前年二・五パ
表3 大学別合格者数(上段は54年3月卒、下段は過年度卒)延べ数 全日制