教育福島0044号(1979年(S54)09月)-018page
うことも必要である。
2 指導計画、指導方法の評価
道徳教育に関する評価の一面である教師側の評価は、指導案や指導過程ばかりでなく、指導の時間に至るまでの一連の過程で確かめることが重要である。つまり、
1) 自校の全体計画を評価する。
2) 年間指導計画を評価する。
3) 指導法を評価する。
・指導過程に関する評価
・指導の諸方法を評価
評価に当たっては、以上の二面を個々に考えるのではなく、指導のねらいを達成するのに適切であったかどうかを検討するものであり、表裏一体としてとらえ、児童生徒をより望ましい方向へ発展を促す改善策樹立の手がかりとして活用しなければならない。
七、特別活動
(一) 特別活動の意義と役割
今日の学校教育は、一人一人の児童生徒の知・徳・体の調和を図り、心身ともに健康な国民の育成を目指すという考えに基づいて営まれる。
学習指導要領もこの趣旨を受け、特別活動の目標も小・中学校ともに「望ましい集団活動をとおして、心身の調和のとれた発達を図り、個性を伸長するとともに、集団の一員としての自覚を深め、協力してよりよい生活を築こうとする自主的・実践的な態度を育てる。」と規定された。
すなわち、特別活動は、望ましい集団活動をとおして「なすことによって、学ぶ教育活動」であるところに特質がある。したがってここでは、学級会活動や学級指導のように学級集団で行われる活動や、児童(生徒)会活動、クラブ活動及び学校行事のように学級や学年のわくをはずして組織された集団で行われる活動もある。そして、それぞれの集団に所属する一人一人の児童生徒は、発達段階や集団の特性に応じ与えられた地位や役割をとおして、集団の一員としての自覚を深めるとともに、相互に協力し合い、個性を発揮しあって目標を達成することがたいせつになる。
そこで、概括するとここには次のような教育的意義が考えられる。
1) 集団の一員として、なすことによって学ぶ活動をとおして、自主的・実践的な態度を身につける。
2) 個性の伸長を図る。
3) 各教科、道徳の学習に対して興味や関心を高める。
4) 知・徳・体の調和のとれた豊かな人間性を養う。
したがって、その指導に当たってはこれらの意義をじゅうぶん理解して効果的な計画を立て、一充実した活動が展開されるようにすることがたいせつである。
(二) 特別活動と教育課程の編成
特別活動の時間の取り方については教育課程を編成する際、どの内容にどの程度の時間を割り振るかが問題であり。いわゆる「ゆとりの時間」の活用などとあいまって、各学校における創意くふうの成果に期待するところが大きいが、一般的な原則を整理してみると、およそ次のようになるであろう。
1) 小学校
原則1 総則6の(1)
○特別活動の授業は、年間三十五週(第一学年は三十四週)以上にわたって行うよう計画し…。
原則2 総則6の(2)
○特別活動の授業の一単位時間は、四十五分を常例とするが…。
原則3 学教則24条の2(別表第1)
○各学年における特別活動の授業時数は、別表第1に定める授業時数を標準とする。
原則4 指導要領(特活第3の2)
○学級会活動、クラブ活動及び学級指導のそれぞれに充てる授業時数は、学校や学級の実態を考慮して適切に定めるものとする。
原則5 総則6の3
〇「特別活動のうち、児童活動及び学校行事の授業については、それらの内容に応じ、年間、学期ごと月ごとなどに適切な授業時数を配当するようにすること。」小学校指導書(特活編)
ア、児童活動
学級会・クラブ活動…時間割上に位置づけて実施することが望ましい。
クラブ活動…毎週計画的、継続的に実施されることが必要であり、週の時間割の上に位置づけておくことが望ましい。
イ、学校行事
この授業時数については具体的に示されていない。これは、その特質からみてこれに充てるべき年間の時数を一律に示すことが困難だからであり、それぞれの学校や地域の実態に即した適切な指導計画を作成して実施することが望ましいと考えられるからである。しかしながら、実際に学校行事に充て得る授業時数は、週数に換算して一般に三ないし四週程度になると思われる。
ウ、学級指導
この時間の設定については、一単位時数を必要とする主題と、二分の一単位時間を必要とする主題に分けて、時数配当を考慮する方法が考えられる。
前者については、月・週に「学級指導の時間」を特設し、学年によって異なるが、一般的に年間十〜二十単位時間程度と考えられる。また、後者は、週のある曜日の時間表の中に位置付けておくくふうが考えられよう。2)中学校
原則1 総則7の(1)
〇特別活動の授業は、年間二十五週以