教育福島0044号(1979年(S54)09月)-017page

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3 評価の活用

評価はその機能としての管理、指導、学習の三つの立場から処理され解釈されなければならない。したがって、処理の結果は分析、総合の両面から妥当性、客観性をもつようにしなければならない。そして、

・学習指導法の改善に生かす

・指導計画の検討改善に生かす

・個別指導に生かしていくことが必要となろう。

 

4 教育統計

テストの結果を診断や治療に役立てたり、指導法の反省資料として生かすためにも、平均、標準偏差、変異係数学力偏差値等の基本的な統計的処理のし方を身につけることも必要になろう。

 

六、道徳教育

 

(一) 道徳教育の意義と役割

 

道徳教育の意義と役割については、小・中学校学習指導要領の総則の2に示されているが、この内容を要約すると、次のようになる。

 

1) 学校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通じて行うことを基本とするものであること。

2) 教育課程の全領域が、その実現の場であること。

3) 教師と児童生徒及び児童・生徒相互の人間関係を深めること。

4) 道徳的実践の指導を徹底するものであること。さらに、第3章道徳、第1目標では

「……国際社会に貢献できる日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。」

(前段)と述べ、道徳教育の究極の目標を示している。

「……各教科及び特別活動における道徳教育と密接な関連を保ちながら、計画的、発展的な指導を通してこれを補充、深化、統合し……道徳的実践力を育成するものとする。」

(後段)と述べ、道徳の時間の目標を示している。この二つの面をじゅうぶん理解して、道徳教育を推進し、国民としての望ましい道徳性を育成することである。

 

(二) 道徳教育と教育課程の編成

 

道徳教育と教育課程の編成を考える場合の直接的なよりどころとして、小・中学校学習指導要領の「第3章 第3指導計画の作成と内容の取扱い」をじゅうぶん理解しておくことが必要である。

この中で特に重要な内容は、

1) 道徳の時間の指導は、学級担任によることが原則であること。

2) 特に必要な内容の重点化を図り、いくつかの内容の関連づけを考慮すること。

3) 括弧書きの内容の取り扱いに留意すること。

4) 地域や児童生徒の実態に応じて、指導計画に弾力性をもたせるようにすること。などがあげられる。

したがって、教育課程編成の段階でこれらについて重点的に吟味、検討することがたいせつである。

 

(三) 道徳の時間の指導

 

道徳の時間の指導は、具体的な道徳的実践の指導や直接、習慣化をねらうのではなく、ねらいを達成するのに、最も効果のある資料を用いて、ねらいとする道徳的価値を追求し、は握させることによって、道徳的実践力を身につけさせることを目指している。

したがって、次の点に留意しなければならない。

1) 目標・内容・計画を他領域の指導と有機的に関連づけ、相互の交流を図るようにすること。

児童生徒の興味・関心に基づいて各種の指導法を取り上げること。

2) 28項目(小学校)16項目(中学校)は、全教育活動で行う道徳教育の内容であると同時に、道徳の時間においても指導することが原則であること。

3) 道徳の時間の指導でねらう「道徳性の三つの様相」をは握しておくこと。

ア、道徳的判断力

考え方、行動の善、悪判断の知的理解。

イ、道徳的心情

善を行うことの喜び、悪を憎む感情。

ウ、道徳的態度及び実践意欲

道徳的判断力、心情によって価値ある行動をとろうとする傾向。

以上のことについて、特に望ましい道徳的態度、意欲の深化、向上を目指す指導に努めなければならない。

4) 道徳の授業を進めるに当たっては 次のことに留意すること。

ア、教師の一方的なおしつけにならないようにすること。

イ、一部の児童生徒を対象にしないようにすること。

ウ、児童生徒の心情をゆさぶるようにすること。

エ、児童生徒の生活経験を重視するようにすること。

オ、指導過程を固定化しないようにすること。

 

(四) 評価と改善

 

道徳教育の評価と改善については、次の二つの面から考える必要がある。

 

1 道徳性の評価

ねらいとする道徳的価値が一人一人の児童生徒にどれだけ身についたかを確かめる。

評価の方法としては、観察、質問紙法、面接、作文、投影、事例研究などによる方法がある。評価の場としては、指導の時間に限らず、日常の学校生活場面において、長期にわたって行

 

 

 


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