教育福島0044号(1979年(S54)09月)-020page

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ア、部活動としての運動部の活動

イ、休憩時間などにおける活動など

 

(三) 指導上の留意事項

 

1) 学校での教育活動の内容の固有のねらいを達成しつつ、体育に関する指導の効果を上げるようにする。

2) 児童生徒の実態を的確には握し、指導計画を作成して計画的に指導するとともに、その成果を評価する。

3) 鍛練的な指導とともに、運動の楽しさや必要性を理解させ、興味をもって自主的、継続的に実践させる。

4) 画一的な指導に終始せず、児童生徒の実態にそった適切な指導をする。

5) 比較的大きい集団で行動する機会が多いので、安全に能率よく行動させ、教科体育で身につけた集団行動の様式を活動の内容と関連づける。

 

九、生徒指導

 

(一) 生徒指導の意義と課題

 

現在の学校教育において、生徒指導が強く要請される理由として非行の増加があげられるが、生徒指導の意義はこのような児童生徒の非行対策といった消極的な面にのみあるのではなく、「すべての児童生徒を対象とし、一人一人の人格の価値を尊重し、個性・能力の伸長を図りながら、同時に社会的な資質や行動を高めることをめざして行われる教育の機能である」ことに積極的な意義があるのである。文部省刊行「生徒指導の手引」では、生徒指導の意義を、いろいろな角度からとらえ次のように示している。

1) 生徒指導は、個別的かつ発達的な教育を基礎とするものである。

2) 生徒指導は、一人一人の生徒の人格の価値を尊重し、個性の伸長を図りながら、同時に社会的資質や行動を高めようとするものである。

3) 生徒指導は、生徒の現在の生活に即しながら、具体的、実際的活動として進められるべきである。

4) 生徒指導は、すべての生徒を対象とするものである。

5) 生徒指導は統合的活動である。児童生徒の非行が増加傾向にある現在、ともすると生徒指導の消極的な面にのみとらわれがちになりやすいが、このような時期こそ生徒指導の意義を再確認し、教育活動としての生徒指導の原理に即した指導を積極的に推進する必要性が痛感される。

このような生徒指導に対して、現在どのような課題が負わされているのかを考えてみょう。

ア、教師と児童生徒及び児童生徒相互間に、一望ましい人間関係が実現され促進される必要がある。

イ、社会人としての望ましい資質、態度、基本的行動様式等の望ましい習慣形成のための指導を組織的、計画的に進める必要がある。

ウ、児童生徒の学校生活への適応及び将来における適応や自己実現に役立つ資質育成のための援助や指導を推進ずる必要がある。

エ、児童生徒が健康な性格をもち、健

全な生活を営むための援助や指導を

強化する必要がある。

オ、関係諸機関・団体と緊密な連携を図りながら、児童生徒の健全な発達に努める必要がある。

 

(二) 学業指導

 

学業指導とは、学校教育活動のすべての面において、一人一人の児童生徒が意欲的に学習に取り組み、みずからの学業生活の改善と向上を図るように援助・指導することである。

学業指導は、すべての児童生徒を対象にして、みずから学ぶという積極的で意欲的な学習態度や豊かな創造性を育成しようとする開発的な指導に重点をおくことがたいせつである。また、児童生徒の知的な側面からばかりでなく、行動や性格の面や、児童生徒を取り巻く環境の面からも指導しなければならない。学業指導の内容としては、次のものが考えられる。

ア、新しい学校生活へのオリエンテーション

イ、選択教科の選択

ウ、学力の弱点の診断と治療

エ、学習意欲不振、学習興味欠如の克服

オ、学習方法・技術、学習習慣の開発

指導にあたっては、集団指導のほかに、個人差を配慮した指導や個別指導をたいせつにしなければならない。

 

(三) 個人的適応指導

 

児童生徒が不適応をもたらす要因は学業、身体、健康、進路等さまざまな生活場面に存在していると考えられる。したがって、指導のねらいは生活適応そのものであり、児童生徒の精神的健康の増進をめざした指導計画と実践が必要である。

1) 学校・学級生活への適応に関する指導では、入学・進級時の指導、学級編成替え、転出入児童生徒の指導や委員会やクラブヘの加入とその後の適応指導、小集団への所属に関する指導等発達段階や学級の特質に応じて指導する配慮がたいせつである。

2) 個人的な悩みや不安の解消に関する指導では、児童生徒の精神、身体上の悩み、性的な発達に伴う悩み、対人関係の悩み等が考えられる。指導に当たっては、平素から児童生徒との人間的な触れ合いを深めることによって、これらの悩みや不安を敏感に感じとり適切に取り上げ指導することがたいせつである。

3) 望ましい人間関係の確立に関する指導においては、平素から学級内の人間関係の調整に絶えず配慮し、児童生徒が学級その他の集団に円滑に溶け込み、生き生きと活動できるよう援助することがたいせつである。

4) 指導にあたっては特に個人差に応じた指導が必要である。一人一人の児童生徒をよく理解し、その実態や発達

 

 

 


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