教育福島0045号(1979年(S54)10月)-005page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

 

巻頭言

 

経営雑感

 

経営雑感

福島県中学校長会会長 佐久間 正 男

 

われだとも思う。一人一人が生きて働く学校を求めていきたいものである。

 

● 職員会議など、議題によっては議論百出、なかなかのにぎわいを見せることがある。その発言も学級担任の立場から、各係の立場から、個人的見解などさまざまである。司会役の教頭はまとめるために汗だくの奮闘をする。学校をどうするか、生徒をどうするかという、いつもやる気じゅうぶんの気構えがある限り、こうなると思っている。私は、こういった場をたいせつにしたいと考えている。表現の上手下手はさておき、熱意のある意見には説得力があるし、活発な意見の交換は、先生がたの個性が生きて働く機会でもある。すべての教職員が、学校経営に参加するという意欲が強いあらわれだとも思う。一人一人が生きて働く学校を求めていきたいものである。

● どの学校にも、その学校ならではの特色がある。しかし、その特色を表現するとなるとなかなかむずかしい。「本校では数年来この形式で、こんな方法で運営してきたので…」という言葉をよくきくが、良し悪しは別としてこれが一つの型であり、その学校の特色とも思われる。これらを、新しい観点から見直すかどうかによっては、マンネリ化するか、躍動的になるか学校のふんい気が変わってくる。学校の現実にある問題点に対し、教師の創意くふうがどう生かされてくるかによって大きな違いが出てくるだろう。新鮮さに満ち、いきいきした学校の特色がつくられることを念願している。

● 中学校では、多かれ少なかれ問題生徒をかかえているとともに、生徒指導の充実には真剣に取り組んでいる。生徒の問題があるごとに、どう対処していくか全教職員があらゆる角度から検討し、指導に全力をあげる。学級担任の目の色も変わってくる。学校全体がピリピリして気合いがかかってくる。しかし、これがなかなか長続きせず、根負けの状態になりやすい。教育はもともと地味なものであり、促成栽培はできないところに味があるように思う。「見通しをもって」「実態に即して」「忍耐づよく」「反省評価を適切に」「共通理解をもって」などの言葉もここからうまれてくる。一つ一つ地道に実践をつみあげる学校でありたい。

● 日ごろから「学校の日常生活のなかで、教師相互にもたれるエチケットやマナーをたいせつにしたい」と話し合っている。校務処理のためには全職員が分担し、それぞれの仕事をすすめているし、その一つが欠けても支障を生ずるのは当然のことである。校務遂行のためには、係相互の連絡調整・学年内の協力体制などが要求される。その潤滑油の役割りを果たすのが、エチケットやマナーであると思う。望ましい人間関係もそこに生まれてもくるだろう。教育公務員としては、自分自身にきびしくルールを守ることとあわせ考えたいものである。ここに、けじめのあるすっきりした学校が形成されるのではあるまいか。(福島一中校長)

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。