教育福島0045号(1979年(S54)10月)-032page
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教育事務所
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−県中−
七回目の交歓会−心のふれあい
広戸小……淀橋七小
教育の今日的課題である「人間性豊かな児童生徒の育成」が叫ばれているなかで、子供たちが、毎日の学校生活において、教科等の学習を通じて、また一方では、学校生活全般の経験をとおして、みずからの生き方を学習し、自己開発に努めることが重要であるといわれています。
ここにあげる例は、都市と農村の子供たちが、それぞれの異質な生活の場を互いに経験し、理解し合うことによって豊かな友情をはぐくみ、ともに高まりあおうというもので、毎年夏休みになると、姉妹校交歓会を行っている学校です。
この交歓会により、親と教師が協力し、校外の集団生活をとおして豊かな情操を培い、子供たちにみずからの生き方を人と人とのふれあいの中で求めさせようとしているのです。
この学校は、岩瀬郡天栄村立広戸小学校です。昭和四十八年度より、東京都新宿区立淀橋第七小学校と、姉妹校交歓会を両校PTAの主催で六年生の児童を対象に行われてきており、今までに通算七回を数えるまでになっています。
この交歓会は、七月下旬に、淀橋第七小学校の児童が、天栄村に来校し、キャンプと民宿で親睦を深め、八月下旬には広戸小学校の児童が淀橋第七小学校を訪問して交歓会を催し、民宿と都内見学等を行うというものです。
なお、この運営は、両校PTAの校外指導委員会を中心に行われますが、淀橋第七小学校においては、単にPTAにとどまることなく、新宿柏木地区の青少年対策協議会までもこれに参画する地域ぐるみの活動にまで発展しています。
交歓会においては、都会の子供たちが村内児童の各家庭に民宿するわけですが、生まれて初めてみるきゅうり、なす、すいかなどの野菜の収穫や豚などの家畜の世話を、各家庭の子供といっしょになって手伝ったり、都会だったらデパートや自動販売機で売られているかぶと虫の野生の生態にふれるなど、驚異の三日間を過ごして帰っていくのです。
その子供たちの農村生活の印象は、うす暗い早朝のかぶと虫の樹上のうごめきや、豚の出産とのであい、古老の昔話、そしてきゅうり畑のトンネルの中の消毒と出荷など、帰途の車中で目を輝やかせて話しあうのが常であるということです。
また、広戸小学校の子供たちは、東京に行き、各家庭に民宿して大都会のようすを見学することになりますが、その喜びは非常に大きく、別れのときには再会を互いに呼びかけ誓い合う親子ぐるみの情景を見ることができます。
この交歓会は、当該年度の交歓に終わることなく、永年にわたって個人的あるいは家族どうしの交流や文通をもたらしている例が多く、その影響ははかり知れないものがあるようです。
本年度の交歓会のおり、あいさつに立たれた淀橋第七小学校長は、この交歓会を「まごころのふれあい」と述べられました。この「ふれあい」は、単なる行きずりのふれあいではなく、初めて会った者どうしが、心を開いて友情を結びあう感動的なものです。
この行事はわずか数日間のものであったとしても、豊かな友情や心と心のふれあいを育てるものです。なんとすばらしい行事ではないでしょうか。このような行事をいつまでもたいせつにしてほしいものです。
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うわあ、大きいなあ
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