教育福島0047号(1979年(S54)12月)-039page

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資料3イの○印のところだけを観察した子が多かった。ここは、ちょうど流れが川岸(外側)にぶつかり、水がたまるところであり、戸惑った子がいた。口のように、はっきりと川原を図示すべきであったと思う。

5) まとめ

観察の視点を明確にさせて、もう一度、実験・観察を行う。

6) 学ぶ授業のために

■授業で行った手立て

ア、粘土で水を流すことのできる川原を作り、砂、小石などを流した。

イ、カードを利用し、観察の視点を明確にさせた。

■今後への課題

ア、グループ学習1集団思考の働きを考える。

イ、教育機器の効果的な利用を考える。

(3) 授業研究のまとめ

自分から進んで発表する、学ぶということで授業をすすめてきた。四月当初よりは積極的になりつつあるが、まだまだである。

授業をとおしてたいせつだと感じたことは、学ぶ授業にするためには、教師自身も学ぶということである。教材、子供に対する理解、さらには、子供に学ぶということである。

1) 授業における子供たちの状況

2) 教科に関しての子供たちの特性や発達

3) 人間としての子供、人間そのものに学ぶ

以上のようなことを子供から学び、子供とともに学習していく「共学」という姿勢こそがたいせつであると思う。

 

(二) 学級通信の歩み

 

(1) ねらい

 

(1) ねらい

 

いること、考えていることをそのまま書き表すことができるようにと始めた。

 

1) 学習指導の面からは、文章表現力向上のためである。思っていること、考えていることをそのまま書き表すことができるようにと始めた。

2) 生徒指導の面からは、児童理解のためである。相手の新しい側面を知ることにより、相互の信頼関係が成り立つものと思う。

 

(2) 経過

1) 子供の変容

書くことに対し抵抗が少なくなり、気持ちをそのまま素直に書き表す子供が多くなりつつある。また、学級通信をとおして友達の日記を読むことにより、生活をみつめる目も広がり、それが題材への広がりにもつながっていくようである。さらに表現をまねたり、友達の作品を参考にくふうを凝らしたりする子も増えつつある。

■わたしのしおかぜ 四家 敦子

私はしおかぜがとっても好きです。先生がわたしてくれると、私のがのっているかなあと思い、だれが上手かなあと見るのが楽しみです。

家のお母さんも、私のがのっていると喜び、はっておきます。とても楽しみな新聞です。(しおかぜ第59号)

2) 父母の変容

 

我が子の日記から他の子の日記に関心を寄せ、他の子の日記をとおして我が子を考える。また、我が子の日記から他の子を考えるという相互作用が見られつつある。

また、しおかぜが子供との対話のきっかけになり、学校での話題なども話し合われ、学校、学級に対する関心も高まりつつある。

■しおかぜに寄せて 父兄より

(略)しおかぜは、子供たちの心や気持ちがよく表れています。子供たちの思っていることもしおかぜで知ることができ、本当にうれしく思っています。これからも、いろいろ書いてお母さんたちに読ませて下さい。

(しおかぜ第52号)

 

3) 私の変容

 

日記をとおして、日常の生活では気づかなかった子供の側面、内面、あるいは家庭での生活を知ることができ、それが子供を見直すことになり、正しい児童理解に結びついているようである。

毎日毎日の日記に添え書きをすることは、一人一人の子供と対話をすることであり、それが子供も教師も大きな励み、喜びとなっている。

 

(3) 今後へ

二学期からは、父兄の参加もみられる。また、日記の題材の広がりも徐々に見られるようになった。

そこで、今後は1)系統的な作文指導(表現力の向上へ)2)本の紹介−子供向け、父兄向け3)よりいっそうの父兄の交流の場へ以上のようなことを目標に編集していきたい。

最後に、

「よい先生は、よい父母によって育てられる。また、そのよい父母は、よい先生が受け持ちの子供をとおして育てていく。」という姿をめざして歩んでいきたい。

 

 

 


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