教育福島0049号(1980年(S55)02月)-010page

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年度特に留意すべきことは、学校生活の中にゆとりと充実をいかに実現していくかということである。ゆとりと充実は表裏一体のものであり、ゆとりは単なる時間のゆとりではなく、内容の充実に裏づけられた充実感あふれるゆとりでなくてはならない。

そのために重視しなければならないのは授業充実である。この授業充実のためには、指導内容の重点化や教材の精選、指導方法の改善、学習意欲の高揚等、取り組むべき問題は多い。この問題に取り組むことなしに、ゆとりを単に削減された時間の活用だけと解していたのでは、教育課程改善のほんとうのねらいは生きてこない。

したがってこれからの学校教育の推進に当たっては、学校は、ゆとりと充実の方向をめざしながら、教師の創意工夫を生かした教育活動を実施し、児童生徒一人一人の個性や能力の伸張を図り、真に人間性豊かな児童生徒を育成していくよう努力しなければならない。

 

高等学校

 

高等学校

 

各学校においては、人間の一生を通じた教育や学習の基礎を培うものとしてり高等学校教育の役割を十分認識し、適切な教育課程を編成し実施することが必要である。そのためには、それぞれの地域や生徒の実態に基づいた特色あるものを創意工夫し、その中で基礎的、基本的な内容の習熟と生徒の能力、適性に応じた適切な内容の指導が進められることが期待される。

また、現在の生徒の能力、適性等の多様化を十分配慮して、いきとどいた学習指導を進めるためには、教育の実際の場における指導方法の向上について積極的な実践的研究が期待される。

また、教科以外の教育活動面での工夫を図るとともに、望ましい人間育成を図るための生徒指導、進路指導等が一層充実、強化されなければならない。

 

養護教育

 

養護学校教育義務制実施後の情勢の変化に対応するため、次の点について努力する必要がある。

1、慎重かつ適正な就学指導の徹底

2、障害の種別、程度に応じた指導方法の開発

3、積極的に社会に参加していくための能力の育成

4、小学校、中学校、高等学校の児童生徒との交流促進以上についてその具現化を図り、各学校、学級が、障害をもつ児童生徒にとって充実した生活の場となり、保護者の信頼と期待にこたえられる学校、学級づくりを進めることが望まれる。

持に、養護教育の拡充に伴い、対象児童生徒の障害や程度が多様化し、就学指導や教育課程の編成、学校、学級経営等が一層困難になりつつある。

また、この教育を進めるに当たっては、健常児と共通であるという一般性を基礎とし、更に障害児であるという特殊性に即応して行わなければならない。

したがって、新学習指導要領と移行措置についての研究を深め、新しい学習指導要領の趣旨を十分に生かすとともに、前述の小・中・高等学校における各教科、領域等の重点を吟味した上で、次にあげる重点事項との調和を図り、この教育の充実、振興に努力することが望まれる。

 

一、適正な就学指導を推進する。

 

(一) 各学校における心身障害児の就学指導組織を、校務分掌上の組織として明確に位置づけ、全校職員が協力して適正な就学指導を進める。

(二) 市町村の就学指導審議会、県就学指導会議、その他の関係機関と有機的連携を図り、適正な就学指導を進める。

(三) 心身障害児に関する知識や調査、検査、診断の技術向上を図るため、全教員の校内研修を充実する。

(四) 心身障害児童生徒の就学指導に関しては、保護者と十分に情報交換し適切な教育措置を講ずるよう努める。

(五) 学校、学級への就学後も、常にその教育効果を観察、評価し、他の学校、学級への就学が望ましいと判断される場合には、慎重かつ適正な教育措置替えを考慮する。

 

二、盲、聾、養護学校、特殊学級の実態に即した運営を工夫する。

 

(一) 教育目標の具体化、実践化の適切な運営計画をたて、全職員が共通理解にたち、効果的な養護教育がすすめられる学校運営に努める。.

(二) 児童福祉施設、医療施設等と密接な提携を図り、福祉、医療、教育間の情報交換等を組織的に行い、障害児の全面発達を促進できる学校、学級運営を工夫する。

(三) 特殊学級は、学級編制の方針を明確にし、学校経営の中に正しく位置づけ、適切な運営に努める。

 

 

 


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