教育福島0051号(1980年(S55)06月)-050page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

ふるさと探訪

 

県指定重要文化財

彫刻 木造聖徳太子立像 一躯

 

所有者 常勝寺   所在地 大沼郡本郷町字三日町454番地

所有者 常勝寺   所在地 大沼郡本郷町字三日町454番地

 

本体は前後ハギ合せの漆箔像で頭部は首柄で体部に差し込む。髪は中央で左右に分け、後に垂らして結ぶお下げ髪。玉眼を嵌入し、口唇に朱を入れる。たて襟六角のあげ頸袍で紐結びの金色縞の袈裟を着け、右手に蓮華、左手に経巻を持って立ち、沓は花先形である。いわゆる経巻太子七才像である。胎内には、「正中三年丙寅二月二十七日」(一三二六)の墨書銘があり、鎌倉時代末期の造顕であることを明示している。

経巻太子像は、全国的にもきわめて珍らしく、石田茂作『聖徳太子尊像聚成』(昭和五十一年)によっても、調査千三十三体中二〜三例しかない。特にこの像は年代的にも、関東北地方では埼玉県行田市天州寺の十六才孝養太子像(寛元五年銘一二四七、国重要文化財)についで二番目に古く、貴重である。

像高 百二十五センチメートル

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。