教育福島0051号(1980年(S55)06月)-051page

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県指定重要無形民俗文化財

金沢黒沼神社の十二神楽

 

福島市松川町金沢は、百九戸ほどの山村集落であるが、ここの氏神黒沼神社に、十二神楽と呼ばれるいわゆる出雲流の神楽が伝承されている。十二神楽といっても、本舞十二座の外五座の計十七座あり、その性格は、江戸の神楽、県南の神楽、それに法印の神楽の要素も交っていて、ここ独特のものになっている。仮面は猿田彦面をはじめ二十三口を伝う。大部分は江戸彫りかと思われる。

祭りは四月三、四日。三日を本祭りとし、この日神輿の渡御あり、出御の祭典の折り、社殿で神楽二座を奉納し、各お旅所で一、二座、還御の後も社殿で三座を舞う。四日には午後一時ころより社殿で全座を舞う。

拝殿向かって右手の六畳の広さのところが舞処で、正面奥に岩戸をかざり、太注連をかけ、右手の座に大小太鼓、笛方が座す。(曲により銅◆子を加えることもある)その仕度は、烏帽子、白狩衣、袴、白足袋。正面先には長机を一つ置き、その上に鈴や採物を置く。楽曲には、下り羽、前まわり、乱調、四方固め、三人剣、そうでん囃子、岡崎、大野辺、種蒔き等があり、これが各曲に適宜に組み合わされている。出入に下り羽を奏すること、県南の神楽風である。本舞十二座は、剣の舞、天地開闢、四方固め、鍬舞鎌舞、種蒔き、小弓遊び、三人剣、燈明舞、日本武尊、恵比須、天宇受売命、岩戸開き、座外は、大太刀、平車の舞、大野辺、七変化、白露舞、舞人の仕度は大体、狩衣(綾織・白地)、袴(同上)、白足袋の神職のと同様で舞にも素面の舞と仮面の舞とがある。

神楽は、社伝によると元和三年(一六一七)に時の宮司半沢元守が氏子から五名を選んで江戸に遣わし、江戸神楽を習得させ、また、後に二見から師匠を招いて稽古をさせたこともあったという。古い狩衣の残片に、天明四年(一七八四)の墨書が見られる。

舞も拍子もしっかりとしており、この社独特の神楽として、文化財の価値が高い。

 

保護団体 黒沼神社の十二神楽保存会

保護団体 黒沼神社の十二神楽保存会

所在地 福島市松川町

 

あとがき

するというわけにもいかないらしい。形式的な訪問にならなければよいが……。

 

○ 小学校では、夏休み前に家庭訪問をして、家庭との連携を密にするというのが習慣的になっている。本県でも大部分の学校で家庭訪問週間等を設けて実施しているようだ。学校教育の場だけでは理解できない児童の一面を知るうえでもよいことだと思う。ところで、最近の家庭訪問は、マイカー利用が多いようで、市街地での訪問などは、駐車の問題などもあり、じっくりと懇談するというわけにもいかないらしい。形式的な訪問にならなければよいが……。

 

○ クラスの子供の通学路状況を知るため、歩いて家庭訪問をしている先生の話を耳にした。時間的にも労力的にも大変な御苦労だが、この先生に敬意を表せずにはいられない。そこに子供をおもう親心にも似た面を発見できるからだ。そういえば、編集子の小学校時代には、「次は誰誰ちゃんちだ」などといって、先生のあとにゾロゾロついて歩いたものであった。時は移り変わったのか。(ひ)

 

 

 


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