教育福島0052号(1980年(S55)07月)-023page
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活用されるオープンスペース
(喜多方市立第一小学校)
−会津教育事務所−
喜多方市立第一小学校は、一昨年から校舎改築が行われ、昨年十月に校舎全体の約半分が完成。十一月から二、四、六年生が鉄筋コンクリート造り四階建の新校舎で生活できるようになった。子供たちも、地域のかたがたも大変喜んでいる。現在、二期工事が進められ、十月には全校生が移転できる見通しである。
新校舎の特色は、各学年に一か所のオープンスペースが設置されていることであろう。オープンスペースは廊下の一部を取り入れる形になっていて、九・五メートル幅で、長さが十六メートルあり、二教室分の面積を持っている。完成時には六か所できることになっている。
一 オープンスペース設置のねらい
戦後、教育内容や指導法は大変変わった。変わらないのは校舎だけだといってよい。南側に教室が並び北側に長い廊下が続くいわゆる「片側廊下式」の学校が木造から近代的な鉄筋コンクリート造りとなっても教室配置など昔と変わらない。やはりここで将来の学校教育の展望を持ち、校舎の改築にあたるべきだとの考えからオープンスペースの設置などが行われている。主なねらいは次の二つに集約できる。
・学校全体のシステムに加え、学年経営を重視し、学校の中の学校という考えをもって運営や教育を展開する。学級担任は学級を充実させると同時に、学年主任を中心に協力と調和を保ち、学年全体の向上につとめる。
・個に応じた指導といわれるが、今後は子供一人一人の能力に応じた指導が重要になってくる。学級担任がチームを作り、教授組織を確立し、個に応じた持導を展開していきたい。
二 オープンスペースの活用
イギリス、アメリカなどで「壁のない学校」「ドアのない学校」など話題となっているインフォーマル・エデュケーションは、無学年制やチームティーチング方式で、学年、学級の枠をはずした教育が行われている。このような学校を一般にオープンスクールと呼ぶが、オープンスペースも、本来はこのような考え方を取り入れたものである。ただ、本校では学年学級の枠を完全にはずすことは考えていない。学級を大事にしながら学年主任を中心に、同学年の子供たちの教育に対応していこうとするもので、学年共同のスペースとして活用している。次のような多種多様な活用があげられるが、今後は施設設備の充実に努め運営に工夫をこらしていきたい。
(1) 学年朝会(隔週) その週の期待と充実を図るめあてを持って開く。
(2) 社会、図工、音楽、体育などの教科指導の場として、二教室分のスペースがあるのでゆったりした気持ちで版画をしたり絵を描くことができる。
(3) 学年行事の事前事後の指導の場として、今までは体育館等で不自由をしのんできたが、オープンスペースは格好の場となった。
(4) 学年の生活の場、交流の場として活用する。トイレ、流し、資料室等が配置されているし、壁新聞、掲示板等生活に必要なものが全部ここにそろっている。ここに集まってくると毎日の生活に役だち充実したものになる。
(5) オープンスペースと学年資料室の有機的な関連を持たせ、OHP、テ−プレコーダー、ビデオプロジェクターなどの効果的な利用と協力教授組織などの導入も可能となるだろう。
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スペース活用して
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