教育福島0052号(1980年(S55)07月)-024page
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わたしの研究実践
語彙の指導を通して
原町市立原町第一小学校教諭
太田勝弘
一 研究の趣旨
学級の現有の学力、中でも言語事項の理解度、定着度を知るために、教研式小学診断学力検査を実施した。その結果は表1、2のとおりである。
検査の結果より、言語事項の領域が全国水準より大きく下まわっていること。また、その中でも語句の意味の把握の問題の正答率が極端に落ちていることがわかった。
それで、ここでは「語句の意味の把握」の分野にまとをしぼり、次のような仮説をたてて研究を進めた。
二 研究の仮説
中心語句(教科書の下の欄にでている語句)をとりまく他の語句との関連をさぐり、語彙の網の目の中で中心語の独自の位置を確認させるような語彙指導を左記のような手順によって行えば、語句の意味を正しくとらえることができる。
《語彙指導の手順》資料1参照
(1) 中心語句の意味を文脈の中で推量させる。
(2) 中心語句の類義語、反義語を集めさせる。
(3) 中心語句と類義語とを比較し、その意味の微妙な異同に気づかせる。
(辞書の用例に類義語をあてはめてみて、全く意味が同じになる場合とやや違ってくる場合とのあることに気づかせる)
(4) 中心語句を使って短文を構成させ確かな使い方を習得させる。
※ 語彙の網の目の中で語句の意味をとらえさせるというのは、(1)から(4)までの手順をふむことである。
三 研究の概要
(1) 経過
1) 研究計画の樹立と文献の研究
2) 中心語句の選定
資料1 語彙の網の目
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表1 教研式学力検査各領域の正答率の比較(%)
領域
正答率第一部理解 第二部表現 第三部言語事項1) 第四部言語事項2) 全国標準 75 46 85 67 本校(5年3組)42名 50 56 33 47
表2 語句の意味の正答率(%)
設問 遠洋 家庭 落成 細心 正答率 70.7 10.0 7.3 19.5
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