教育福島0052号(1980年(S55)07月)-042page
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ふるさと探訪
県指定重要文化財
法用寺三重塔 一棟
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所有者 法用寺 所在地 大沼郡会津高田町大字雀林字三番山下三五五一
会津地域に現存している唯一の塔遺構といわれ、禅宗様の三ツ斗、三手先斗◆、二重の繁◆を使用した軒の深い建築で、各組手ごとに尾◆をおき、斗◆の間にはそれぞれ間斗二個を詰めて配するなど、応用部分も多く、禅宗様の末期的手法に成ったものといってよい。
初層天井裏でとどめる懸柱式で、全高は十九メートルあるといわれ、各層には高欄を省略した縁を回らし、第二三層には腰組を付するなど、工事の粗密が併存している。軒の繁◆も初層と第二層は平行◆を採用しながら第三層は扇◆である。
なお初層には内陣に祭壇を組み、釈迦三尊を祀っている。
この建物の建立年代についての棟札墨書板の類は見当たらないが、藩政時代、寺社奉行に提出した調書の写しといわれる天台宗「寺縁起」(会津若松市常光寺保存)、及び「新編会津風土記」などの記載によると、安永元年の起工で同九年(一七八〇)の竣工と記録され、寺の創立以来再々建に当たるといわれる。
形状 木造、三層宝形造、銅板葺(もとこけら板葺)、方三間。
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