教育福島0054号(1980年(S55)09月)-013page

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養護教育諸学校の進路指導

路指導の実際と問題点、今後の課題についてそれぞれ学校種別に述べてみよう。

 

進路指導とは、個々の生徒の能力、適性等の発見と開発を前提として、生徒が自主的に進路を選び、やがて自己実現を達成していくことができるような能力・態度を育成していく教育活動である。以下、心身障害生徒の進路指導の実際と問題点、今後の課題についてそれぞれ学校種別に述べてみよう。

 

一 盲学校

 

中学部卒業生のほとんどが進学し、高等部卒業生の大部分は、あん摩、はり、きゅうの三療業に就く。したがって、進路指導は、中学部では進学指導、高等部では三療業を主にした職業指導が中心に行われることになる。

小学部と中学部の段階では、職業前指導の一環として、1)対人関係の調整能力2)身辺処理の自立能力、3)一人歩きの能力、4)言語などの情報を巧みに収集し処理する能力などを養うことを目指すべきである。また、高等部においては、いくつかの職業に関する科目や養護・訓練の時間などで、生徒自身が自己の職業適性を評価し、進路の選択ができるような機会を作るための努力がなされるべきである。高等部の職業学科においては、職業教育が整備されており、これとの関連の下に進路指導が行われているので、進路のあっせんに力点が置かれなければならない。

 

二 聾学校

 

聾学校生徒の進路指導は、一般に、中学部から高等部に進学する際の学科の選択に関する指導、高等部を卒業するときの就職や専攻科その他への進学する際の指導が中心課題となる。

<中学部における進路指導>

中学部の卒業生の大部分は進学者であり、そのほとんどが聾学校の高等部へ進学する。進路指導の重点は、本人の適性や能力を中心にし、人間的成熟や家庭の経済状況といったものを踏まえて、進路を決定するよう指導すべきである。したがって、いたずらに他校への進学を進めず障害や適性に合った教育が行われる高等部へ進学するよう指導すべきであろう。

<高等部における進路指導>

高等部卒業生の進路は、半数が就職で二割が進学といった状況である。高等部における進路指導のあり方として就職に関しては、いかにして履修した専門学科の実力を生かせる職場に就職させるかが問題となる。そのためには就職先の開拓に努める一方、求人情報や先輩たちの就職状況に関する資料を十分に与え、本人たちにおおまかな見通しを立てさせることが第一である。また、第三学年の冬休みなどを利用して、求人中の企業で現場実習をさせたり、本人あるいは雇用主に、それぞれの立場から就職の可能性を検討させる機会を多く与えることが大切である。

 

三 精神薄弱養護学校

 

中学部生徒の進路状況には、大きな

 

 

 


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