教育福島0054号(1980年(S55)09月)-012page

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いる。

今のところ、教育相談係が企画立案に当たり、教育相談の一部として進路相談を含めて実施している。昨年より定期相談を毎学期一回、全生徒を対象にして実施してきたが、実施後の生徒の意識は図1のようになっている。

 

図1 生徒の意識調査から

なお、次の点に留意して相談に当たっている。

 

なお、次の点に留意して相談に当たっている。

●人格を尊重すること(生徒の行為に対して肯定的な見方をすること)

●感情を尊重すること

●行動の選択・決定権を奪わないこと

●共感的理解を示すこと

●助言を急がないこと

○ 今後の課題 (意識調査から)

約半数の生徒が相談の価値を認めている。個別指導の中核が教育相談であり、教育相談の充実が進路指導を改善する一つの手がかりとなることから、相談理論と相談技術の研修に一層力をいれていきたい。

(四) 保護者の理解

進路指導の効果を高めるためには、父母の正しい理解と適切な指導、援助が必要である。理解を図る場として、学年、学級PTA、家庭訪問、三者進路相談、PTA新聞等があるが一年時より計画的に働きかけるようにしている。三年の保護者を対象とした年間計画は次のとおりである。

四月「わが子を伸ばす家庭教育」

七月「進路希望と親の援助」

十二月「進路決定の吟味に」

 

学年集会(二本松一中)

学年集会(二本松一中)

 

三 今後の課題

 

(一) 進路指導の全体計画に検討を加え改善する。特に役割分担を明確にし指導体制の確立を図る。

(二) 諸検査、諸調査の活用を図るため校内研修会を充実する。

(三) 進路指導の核である学級指導を充実するため、年間計画の改善と進路指導法について研究する。

(四) 進路に関する情報や資料の整備が十分でなく授業に活用できないことがあったので、計画的、組織的に収集して整備していく必要がある。

(五) 教育相談が軌道にのりつつあるので、相談技術を高める研修の機会を持つ。

 

おわりに

 

進路指導を実践していく上での問題点は多いが、それぞれの学校の実態に即して、改善できるところから努力していくことが重要となろう。毎日の生活において、一人一人の生徒が自己理解を深め自己実現に向かって、いきいきと努力する生徒に育てるために、正しい進路指導の理念を持って、より充実した進路指導を展開していきたい。

 

 

 


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