教育福島0054号(1980年(S55)09月)-017page

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一 概況

 

昭和五十四年度の高等学校における進路指導は、国、公立大学の共通第一次学力試験の実施及び求人開始期日の繰り下げ(七月十五日以降)、共にそれぞれ第二年目に当たり、前年の経験を生かして関係者の適切な対応がなされた結果、総じて順調に推移した。

全日制卒業者総数二万四千三百七十九人は、前年度より百十七人の増となっているが、以下その進路状況を概観すると、

◆ 大学進学については、進学実数、進学率ともに、前年度より更に低下し、昭和四十九年をピークにして、以後低下の一途をたどっている。

◆ 就職者数は、前年度より二百四十人減り、就職率もわずかに低下している。

◆ 就職者の県内留保率は、昭和五十年度に上昇に転じ、五十一年度に五○パーセントラインを超えた後、加速度的な伸びをみせ、六十一パーセントを超す高水準を示すに至っている。

◆ 各種学校等への入学は、前年度よりやや減少したが、年度により多少の振幅はあるものの、長期的には、この分野への志向性は強くなるものとみられる。

 

二 進学状況について

 

(一) 大学進学(表1・2参照)

( )は昨年度

 

全日制の課程卒業者二万四千三百七十九人(二万四千二百六十二人)の二十三・一パーセント(二十三・五パーセント)に当たる五千六百二十一人(五千六百九十人)が短期大学を含めて大学に進学した。

男女別にみた卒業者総数に対する大学進学者の割合、すなわち進学率は、男子二十一・一パーセント(二十一・七パーセント)、女子二十五・一パーセント(二十五・四パーセント)で、両者とも昨年に比べて、それぞれ○・六パーセント、〇・三パーセントの減となった。

また、男子と女子の進学率の差は、四パーセント(三・六パーセント)で、女子が男子を上まわる傾向が更に強まった。

学科別に見ると、理数科及び普通科における進学率が高いのは例年どおりであるが、農業・水産科、家庭科における進学率がやや上昇したが、他の学科は昨年を下回った。

 

(二) 各種学校進学

 

昨年大幅に上昇した各種学校への進学率は、昨年を〇・二パーセント下回り、十三・一パーセントとなっている。

 

(三) 次年度進学希望者

 

次年度再び大学受験を目指している生徒は、二千四百四十八人(二千四百二十六人)で、昨年同様、卒業者総数の一〇パーセントに当たり、うち男子が八十一・七パーセント(八十二・二パーセント)である。

 

(四) 地域別大学進学率(表2参照)

 

県北地区が卒業数、進学者数が増え、進学率がアップしており、会津、いわき、相双地区では、卒業者数、進学者数が減少し、進学率も昨年を下回っている。

 

(五) 学部別進学者数(表3参照)

 

進学者総数五千六百二十一人の内訳は、文科系二千四百人十二人(四十四・二パーセント)、理科系千二百六十四人(二十二・五パーセント)、その他千八百七十五人(三十三、四パーセント)となっている。

 

(六) 大学別進学者数(表4参照)

 

表4は、本県の高校卒業者が主に進学した大学を、大学別に実数で示したものである。福島(教)、福島(経)、東北学院、東北福祉、東海、日本等の大学に現年度で百名以上入学している。

 

(七) 共通第一次学力検査について

 

本県試験場は、昨年同様、福大、福医大、福高、福女高、福島北高に設けられ、志願者四千四百八十三人(四千六百三十一人)、欠席者二百四十七人(二百五十六人)で、結局四千二百三十六人(四千三百七十五人)が受験した。

一月十一日は受験生の四十八・七パーセント、十二日は五十五・二パーセントが福島市内あるいは飯坂の旅館に宿泊した。

 

三 就職状況について

 

(一) 全般的な状況(表5、図1参照)

 

全日制課程の卒業者のうち、就職者の合計は一万二千七百七十六人で卒業者全体の五十二・四パーセントに当たり、前年比で二百四十人、一・二パーセントの減少となった。

昭和五十五年度に史上最低を記録(五〇・四パーセント)した就職率は、その後着実に上昇を続け、前年度には五十三・六パーセントに達したが、一応の安定期を迎えようとしているものと思われる。

男子についてみると、農業科を除くすべての学科において上昇傾向にあり、全体として横ばいからやや上昇の方向を示し、特に商業科の伸びが著し

 

 

 


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