教育福島0054号(1980年(S55)09月)-044page
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わが校の進学状況
福島県立福島北高等学校教諭
大野紀夫
一 テーマ設定の理由
進学について論じる時、まず問題にされるのは、国公立大への合格者数であり、進学率の高低で価値づけられるのが現状である。このような社会風潮には、もちろん批判はあり、私個人の考えからも賛成しがたいが、あえてこれを前面に立てて本校の進学問題を考えてみようとした。
また、国公立大の合格者数を伸ばそうというのが、本校の進学指導上の最重点目標でもあるので、この問題にだけ焦点を絞ってみた。
二 本校における過去五か年の進学状況について
そこでまず、最近五年間の進学状況をみると、資料の通りである。
五十年度は、本校が四十九年に飯坂高校から福島北高校に校名変更して最初の卒業生が出た年であり、国立大合格二名は五年ぶりの合格者であった。五十一年度になって福島北高で入学した生徒が卒業ということになり、進学面でもようやく国立大合格への道が大きく開けたかにみえた。五十二年度で一挙に二倍の四名に増えたのであるがその内訳は、推薦入学や夜間への合格であった。
そして、五十三年度に至って一躍国立大十、公立大三と計十三名の合格をみ、今年三月、五十四年度には国立大十五、公立二と合わせて十七名に大きく躍進した。
三 五十三年度、五十四年度の国公立大合格者の多角的分析
(一) 現浪の比較
五十四年度の合格数の現役、浪人の割り合いは現役四に対して浪人十三である。ところが五十三年度では国立大十名中、現役七、浪人三、公立大現役三、浪人ゼロの割り合いであった。
また五十四年度浪人十三名、二浪一名だけで、十二名は五十三年度卒であった。したがって、五十三年度卒業生の国公立大合格数は、両年合わせて二十二名、そのうち、二大学合格者が一名いたので実数は二十一名となるわけである。この数字は本校にとってまさに画期的といわざるをえない重みを持つものである。
更にこの五十三年度卒の国公立大合格者に焦点を絞って考えてみる。幸い私はこの学年の担任の一人として参画していたのでその面からの考察をも加味して述べてみたい。
(二) 五十三年度卒国公立大合格者の分析
1) 高校入試成績による考察
五十三年度は三百五十点中二百七点が最高得点者であり、百人十一点で合格した者が現役で国公立大に合格しているので、現役合格するためには、百八十点以上であれば可能性があるということになる。
また大学別に見ると、五十四年度の現役合格者の高校入試得点を勘案しても、百九十点の得点者であれば、福大教育学部には可能性があるといえそうである。また、比較的受験生の多い、五十三年、五十四年の両年度あわせて考察すると、最低百七十五点で合格しているが、これはサンプルも少いので早急には診断しがたい。
2) 高校三年間の学業成績からの考察
一年から三年までの定期考査の成績から平均点と学級内順位でみると、東北大合格のKの場合、高校入試得点百九十一、順位四十三番、在学中の成績は、最高の平均点八十二・三、学級順位二番。悪い時には、六十八・三点であった。そして共通一次は、五十三年度五百八十六点と振るわず、五十四年度には、八百十五点と長足の進歩をみせた。
都留文科大合格のUの場合、高校入試百八十三点、七十四番であり上位ではなかったが、在学中の成績は抜群で評定平均値四・六、共通一次も五十三年度六百五十八点取りながら福大教育を失敗。今年も共通一次七百五点も取ったにもかかわらず福大は失敗し、都留文科大に補欠で入学した。
学業成績と国公立大合格との相関関係は、平常の成績のよい者の合格率が高いという、ごく平凡な事実が判明した。評定平均値四・〇以上であることが、やはり合格可能性も高いというこ