教育福島0054号(1980年(S55)09月)-048page

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福島県立浪江高等学校津島分校

 

農業一般の授業

清掃も協力して

 

清掃も協力して

三年

 

三年

渡部和雄

 

阿武隈山系の一角、その中心近くに私たちの学校、浪江高校津島分校がある。

四方が出に囲まれた高校である。大自然の中に伸び伸びと育って、みんな逞ましい。男子七十二名、女子五十二名という小さな学校ながら、みんな持っている津島魂。朝は下りに下り、帰りは上りに上る−そんな山道を自転車で、バイクで、元気に通学して来る顔と顔。

一学年一クラス。男女共学。真剣な目、惰性的な目、眠い目…様々な目でいっぱいになった小さな教室を三つ並べての授業。古い木造の校舎は、一時間にして三人の先生の声を聞くことを可能にする。時に起こる笑い声。先生と生徒とのなごやかな会話や冗談の応酬。時に響く叱声。身を縮め反省。中には、ちょっと反抗的な人たちもいる。

「おい、○○」「ねえ××」と、ちょっと乱暴な、呼び捨てでの会話。男女間の仲の良さ、こだわりのないつき合いは、私たちの学校の自慢の一つでもある。そして、学年の壁をとりはらった全生徒間での先輩と後輩との交流も、他の学校には見られない良さの一つだろう。楽しさやおもしろさだけではない。小さな事件も、時々起こる。悩みごとのたくさんある人もいる。そんなとき、相談にのってくれる人がいる「なに一人で悩んでんだ。悩み事あるんだら俺に話してみろ」それだけでもう、心の慰めになる。

放課後に響く「めーん」「どおー」という剣道部の気合いは、学校中に響きわたる。その練習の厳しさは、見ている者を恐しくさえする。しかし、この気合いが、今年度の県高校体育大会において女子個人の部で優勝者を出した。小さな学校の大きな快挙−誇らしい思いが学校に満ちた。卓球、テニス、陸上と、必ずしも十分でない施設を、フルに活用して、毎月、汗を流しての練習が続いている。

今、私たちは、自然の中で、青春のど真ん中で、高校生活を精一杯「enjoy」している。そして、未来に向かって『ダッシュ!』中。

 

ぼくの学校わたしの学校

ぼくの学校わたしの学校

 

 

 


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