教育福島0055号(1980年(S55)10月)-048page
福島県立須賀川養護学校郡山分校
楽しい自由時間
「造形」−うまくできたかな
中学部三年
山内安子
私たちの学校は、「三人きょうだい」です。須賀川市に本校が、会津若松市に竹田分校、そして郡山分校があるからです。郡山分校は、郡山駅から西に車で約十五分の「国立郡山病院」内にあります。
学校の歴史は、昭和三十四年に養護学級として小学部、次の年に中学部が病院に誕生しました。県立の郡山分校となったのは、昭和五十三年です。
・健康−笑顔でやりぬく元気な子供
・友愛−進んでみんなとつくせる子供
・感謝−心からお礼のいえる子供
これは学校の教育目標で、みんな病気に負けずに明るく元気に学習や病院生活に励んでいます。学習内容は、一般の学校と大きな差はありません。健康回復に必要な精神と身体をつくる「養護・訓練」とよぶ時間のあることが特徴です。小規模校ですが一般の学校にくらべて、とてもきれいです。運動場はないのですが病院のテニスコートで体育や運動会を力いっぱい行います。
児童生徒数は、約四十名で小児科や整形外科に入院しています。新しく入院する人、めでたく退院してもとの学校に元気にもどる友達もあって、毎月の在籍数がちがっています。少人数なのでみんな仲良く助けあって楽しく生活しています。先生は十七名です。
待ちどおしい年間行事としては、春の遠足、誕生会、映画会、夏期宿泊訓練(少年自然の家)、修学旅行、工場見学、写生会、プロ野球見学、学校菜園収穫祭、文化祭、運動会、クリスマス子供会、書き初め大会、落語大会(専門家)、卒業生を送る会などがあります。これらの行事は、いつも先生がた、お医者さん、看護婦さんたちと一緒に愉快に楽しく行われています。
外で遊ぶ機会の少ない私たちは、室内での遊びを工夫しています。切り絵、文化刺しゅう、手づくり工作、草花遊び、ゲームなど新しい遊びをずいぶん覚えました。県内各地から友達が集まっているので、たくさんの方言を聞けることはプラスですが家に帰ったときに笑われる一幕もあります。
残り少ない中学時代を病気をのりこえ充実した生き方をして、校歌にある「強い心」「明るい心」「素直な心」を身につけていきたいと思います。
ぼくの学校わたしの学校