教育福島0058号(1981年(S56)01月)-018page

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特選

 

児童一人一人が生き生きと活動する体育指導

 

福島市立蓬莱小学校教諭 木村則雄

 

一 実践の趣旨

本研究は、児童一人一人が運動することの楽しさを学びとり、生き生きと活動する姿を求めた昭和五十三年度からの継続研究である。

昭和五十三年度と五十四年度の研究から、次のような配慮をすることにより、多くの児童が体育学習の楽しさを学びとり、生き生きと活動できることが明らかになった。

○ 変化に富んだ、児童にとって興味、関心のある学習内容を盛り込む。

○ 現有の施設設備、器具用具を効果的に活用し、児童が十分運動できるような指導方法を取り入れる。

○ 学習カードなど、児童が自己のめあてを明確に把握し、努力できるものを活用する。

しかし、これらの配慮は、学年や学級全体、グループへの内容のものが主であった。

そこで、本年度は、学習は児童一人一人に成立しなければならないという原点に立ち返り、生き生きと活動するための配慮が児童一人一人に確実になされるため、前年度までの配慮に加え個人別カルテの活用を試みた。

 

二 実践構想

 

三 体育学習の楽しさと本校教育目標との関連

 

三 体育学習の楽しさと本校教育目標との関連

前年度までの指導の反省をもとに、低学年児童が体育の授業から味わえる楽しさを五項目に分類し、本校教育目標がめざす児童の姿との関連を資料1のように、児童の変容を分析した。

 

資料1 体育学習の楽しさと本校教育目標との関連

 

四 実践の結果

 

四 実践の結果

実践的研究の結果、体育学習においていろいろな問題を持つ児童が好ましい方向への変容をみせた。その主な配慮は次のようなものである。(個人カルテより)

○ 能力に応じためあてを定めてやり成功感を味わわせる。

○ 運動や態度に対して、個別に賞賛や励ましの声を多くかける。

○ リーダーや整列係などの役割を与えるとともに、その遂行について評価する。

○ 児童の工夫を多く取り上げ、評価する。

○ 助け合う場面を多く取り入れ、助け合いを高く評価する。

○ 学習カード「がんばれカード」へ励ましの言葉を書く。

○ 肥満児童には劣等感を持たないで参加できる題材で満足感や成功感を多く味わわせる。

○ チーム編成における能力の平均化

 

 

 


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