教育福島0062号(1981年(S56)07月)-050page

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ふるさと探訪

 

県指定重要文化財(建造物)

田村神社厨子 一棟

 

方一間(正面真々、一・七二メートル、奥行真々、一・五八メートル)、二・五メートル、入母屋造り、板ぶき。

厨子を安置する田村神社本殿は、古く大元帥明王を祀る堂として創立されたと伝えるが、明治初年の廃仏棄釈では田村神社一大元帥神社)と改称している。

方一間単層入母屋造平入りの禅宗仏殿形式で、厨子としては、比較的大きく、本殿須弥壇上に木製の基壇をおいて礎盤を据え、上下粽付の丸柱を建てるのをはじめ、全般に省略が少なく入念である。頭貫上には、台輪をまわし、三つ斗の出組、柱間の詰組、あるいは二重の扇種の採用などには禅宗様が忠実に踏襲されている。

特に、正面扉には一枚板から彫り出したと観察される菱紋‥輪違い紋の類が裏板をつけてはめ込まれ、その上部に彫られた牡丹唐草の透し彫り(これも裏板張)や扉金具とともに優れた意匠を形成している。

社殿は、記録によると寛文一一年(一六七一)再建されたと記されているが、この厨子は社殿より古く、桃山時代を下らない遺構と考えられる。

 

所在地 郡山市田村町山中字本郷135番地 所有者 田村神社

所在地 郡山市田村町山中字本郷135番地 所有者 田村神社

 

 

 


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