教育福島0063号(1981年(S56)08月)-014page

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的な内容の重視と個性、能力に応じた教育」等をめざして進められなければならない。学校経営全般にわたって質的な転換が要請されている現在、各学校が積み上げてきた研修の実績を基に、次の諸内容を課題としてとらえ、研修を更に深める必要がある。

1) 教育課程の基準の改善の趣旨の理解を深めるとともに、教育活動における指導理念の共通化を図るようにする。

2) 学習指導要領の目標・内容に対する理解を更に深め、教材内容における基礎的・基本的事項を、教師自身が明確に把握するようにする。

3) 教材の精選と指導の重点化に教師が主体的に取り組めるよう、その意義や必要性の理解を深め、合わせて、そのための具体的な手だての理解が図れるようにする。

4) 児童生徒が主体的に学習を進めしかも充実した授業となるよう、各教科、教材に応じた授業の組織のあり方や指導法について実践的に理解を深める。

5) 児童生徒の個性、能力を尊重し一人一人を生かし育てるための指導法を究明するとともに、評価とその記録のしかた、記録の生かし方について実践的に研究をすすめる。

6) 小学校低学年の合科的な指導、中学校における選択教科設定の趣旨の正しい理解を図り、単元(題材)の構成、内容、活動、指導法等について研究をすすめる。

7) 児童・生徒指導要録改訂の趣旨を正しくとらえ、記入内容等について共通理解を図るとともに、特に観点別評定を行うための具体的な手順、方法を確立する。

8) 創意の時間が充実したものとなるよう、そのねらいを明らかにして、内容・方法・運営のあり方等の共通理解を図る。

9) 道徳的実践を促すため、道徳の授業における道徳的実践力を培う指導との関連を明らかにするとともに、学校内外の生活全般にわたる具体的な指導の場や機会、指導法を明確にする。

10) 生徒指導の理念について理解を深めるとともに、具体的な指導のあり方について共通理解を図る。

2 校内研修の内容と研修の進め方

校内研修は校内の全教師が協力的、効率的に研修を進め、教師としての資質の向上を図り、学校全体の教育の質的な充実を目指すものである。研修が組織的・計画的に学校経営の中に位置づけられるとともに、前述した研修における今日的課題をふまえ推進されることが期待される。

(1) 校内研修の内容

○学習指導に関するもの

○学校・学年・学級経営に関するも

○専門的な技能の習得に関するもの

○教育観の確立に関するもの

○生徒指導に関するもの

(2) 研修の進め方

1) 研修組織の工夫

○役割分担の明確化、作業量の均衡化を図るとともに、一人一人の特性が生かされ全員が参画して効率的に研修が進められる組織とする。

○研修組織と指導組織の関連を図り研修の成果が指導面に生かされるようにする。

2) 研修時間確保の工夫

○教育課程編成の際に研修に当てる時数を年間を見通し適切に確保するとともに、月行事、週行事として定例的な研修時間を設ける。

○時間割編成上、共通のあき時間を設けて教科部会やグループ別研修を持ったり、教科担任・専科・交換などの授業方式を採用し教材研究のゆとりを見い出す。

3) 研修効果を高める工夫

○児童生徒の現実的な問題から切実な共通の課題をとらえ、研修の結果が教育実践の場に直接生きる見通しのある確かな計画として、研修への意欲や期待感が持てるようにする。

○研修計画や具体的な内容・方法に関する共通理解を図るとともに、研修の過程では、お互いに啓発し合い何でも話し合える温かい人間関係を大切にする中で、研究や実践に対する協同意識が養われるようにする。

○各学期ごと、あるいは、各研修会ごとの到達目標を定めたり、実践の過程で何が解決され何が残ったのかを確かめたりして、研修結果の実績と今後の研修や実践の具体的な方法や内容を明らかにして進める。

○校内研修の内容と個人研修にゆだねるものとを明確にし校内研修の効率を高めるとともに、研修と教育実践との結びつきを密にして進める。

3 授業研究の質的改善

授業は、教育課程の実施を支える最も基本的な教育の営みであり、その意味において授業の質的改善をめざす上で授業研究は重視されなければならない。また、授業は校内研修、個人研修の結果を如実に実証する場でもあり研修のあり方を問う評価の機会であることにも留意したい。授業研究の改善に当たっては、次の諸点に配慮する。

○授業研究の主題や仮設と授業の組織との関連について、事前研究で十分討議するとともに、授業観察に当たっての視点や重点をおさえ、焦点化の図られた密度の濃い授業研究とする。

○記録分担の明確化、録音機やV・T・Rの活用等に留意して、効果的な授業分析が行われるよう配慮する。

○授業を通し明確にできた点や問題点を明確におさえる。特に問題点を解決するための具体的な方法や研修を要する内容について協議し十分な

 

 

 


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